今日より暦の上では冬だ。寒い土地に住んでいる方々には申し訳ないが、東京人にとってもこれより長い冬なのかとすでに気持ちは春が待ち遠しい。とはいえ、秋が深まり1日1日と寒さが増していくこの時期も悪くない。あたたかさが身にしみるのはいうまでもなく寒いからで、そのありがたさは心を豊かにしてくれる。冬はそんなあたりまえだけど尊い豊かさを味わう季節なんだ。
さて、冬は一足先に来てしまったが、この時期になると紙ふうせんの『冬が来る前に』をついつい口ずさむ。メジャーからマイナーにガツンといくイントロから、物悲しいメロディがエンディングまで続く。小麦色に焼けた肌、コスモス、落ち葉と登場する季語は、後半に向けてまるで秋が深まっていくかのように並ぶ。
ザ・ベストテンで見た記憶も残っているが、この曲はその登場前にラジオで聴き込んだ。小学校の5年生くらいから、歌謡曲のヒットをラジオでなんとなく追いかけるようになった。とくに、文化放送の『決定! 全日本歌謡選抜』は大好きだったな。『冬が来る前に』は、この番組で流れてきて好きになった記憶が強く残っている。小学校の卒業が間近になってきた冬のヒット曲だったから、その物悲しさが心にしっかりと染み付いているのかもしれない。
今日より冬になっちまったが、この曲で一瞬だけ時間を巻き戻してみてはいかがだろう。昭和のヒット曲って奥の方からいろんな色を見せてくれる。それを嗜める俺たち世代ってつくづく幸せだなあ。
小学6年生頃は土日と言えば地元のラジオ局の歌謡ランキング番組ばかり
聴いていましたね。ランキング予想クイズみたいなのもあって、はがきを
せっせと書いて送ってました。
「冬が来る前に」は、東京から越してきた同級生が「紙ふうせんのおねぇちゃんがかわいい」
と熱を入れてたので、よく憶えてますよ。
そいつは渡辺真知子と久保田早紀にハマってた年上好みの「ませガキ」だったなぁ・・・。