朝刊を眺めていたらこんな広告を見つけた。『昭和40年男』の最新号で紹介ページをつくった面白コンピシリーズだ。この広告、先日このブログでも書いた銀座の名店、山野楽器のコミュニケーションをそのまんま使っていて笑えた。
女の子と音楽がセットになった記憶は、昭和40年男に限らず誰にもあるだろう。音楽は恋のシーンを彩ってくれる重要な存在だ。恋をするたびにその頃夢中になった音がセットされて記憶に残っている。デートの場面で流れていた曲や、家で悶々としながらヘッドフォンで聴いた曲なんかが、甘酸っぱい記憶とともに胸にしまってある。
好きになっても成就しない恋ばかりだった。そのくせすぐに恋をする小中高時代だった。もてるタイプじゃないから告白する勇気がなく、でも気になる女の子の前で精一杯よく見せて気に入ってもらおうとする。そんなうざったいのいやに決まっているのに、当時はそんな作戦しか展開できなかったダメダメなヤツだ。当然ながら僕に気がないことがわかる。もしくは誰かと付き合っていることを知る。すると家で悶々としながら悲しい曲をかけては落ち込んでその曲に入り込んでいった。失恋の数が多いから僕は音楽にのめり込んでいき、ミュージシャンを目指すことになったのかもしれない。
ロッド・スチュワートのバラードにはよく慰めてもらった。『スーパースターはブロンドがお好き』のB面ラスト(ああ、この言い方好きだなあ)の『うちひしがれて』は、僕の失恋ナンバーワンソングだろう。それとクラプトン(デレク&ドミノス)の『レイラ』も、アルバム全体で慰めてもらったな。2枚組を最後までしっかりと聴いて「もう恋なんかしない」って感じ(笑)。これらを聴くとあの頃の自分とバッチリ逢える。青臭かった自分に恥ずかしくなりながら、でもそんな日々が僕を成長させてくれたんだと振り返ったりする。カッコ悪い瞬間を演じている自分が多い人ほど成長できたんじゃないかなって、当時のバカな自分を援護してあげたりもする。
奥さんと音楽か。僕らは音楽に生きた中で夫婦になっちまったんで数えきれないほどある。このシリーズ、とくに80年代は2人をグーンとあの日に戻してくれてスゲー楽しかった。でも、奥さんにプレゼントなんてこっぱずかしい。古い男で、不器用ですから(笑)。そんな諸氏はつとめて明るく「おーい、これ一緒に聴こうぜ!!」でいいんじゃないのかな。