バイク雑誌も作っている会社だから、かつては旅の企画に出かけることが多かった。バイク乗りたちに提供する情報として絶景ロードと食、そして温泉は外せないからありがたいことに秘湯の数々を体験している。今日はホントは教えたくないほど大好きな温泉をそっとご紹介する。50歳を過ぎて枯れた男(!?)たちにはバッチリだからだ。遠くて行くのは困難だろうが、チャンスはいつどう巡ってくるかわからない。将来、ひからびた夫婦で楽しむ日をイメージしようじゃないか。
先日イベントを行なった岩手の夏油高原スキー場の近くにある夏油温泉がそれだ。読み方が難しいが“げとう”と読む。イベント会場にも素晴らしい展望露天風呂があるとは聞いたが、僕らが向かったのはこの会場より曲がりくねった道を3㎞ほど奥地へと入った行き止まり。ちょうど紅葉で眺めもバッチリの露天風呂を楽しめた。教えたくないとしたが、教えたところで若者に受けないから妙な騒ぎにはならないだろう。わびさびがわかる大人だからこそ楽しめる秘湯で、利用者の平均年齢は僕らよりはるかに高い。久しぶりに若者になった僕だ。
日帰り600円はやや高めに感じるかもしれないが、入ればそんなのぶっ飛んで大満足できるはず。小さな川沿いに湯船が5つある。どれも湯船の底から湧いていて、説明によるとすべて泉質は異なるそうだ。なるほど、温度もどえらい熱いのからゆったりのんびりぬるいのまで様々で納得する。眺めも異なるから1つひとつじっくりと楽しんでいると時間はゆったりと過ぎていき、リラックスできることこの上ない。連れて行った若者たちも、こんなに長く湯に浸かったことはないと言っていた。それもそうだな、100分もの間湯巡りを楽しんだのだ。
ぜひ、タメ年諸氏の行きたい場所リストに加えてはいかがだろう。宿泊も出来るここは決して豪華でないが、旅の原点みたいのを感じることができる。きっと“なにか”が見つかるはずの、秘湯ご紹介でした。あっ、そうそう冬は雪で営業していないからご注意ですぞ。