暑さ寒さも彼岸まで。となれば、我が家の食卓にはコイツが登場する。一旦シーズンインしてしまうと、彼岸どころかゴールデンウィークあたりまで続く。そこから約4ヵ月のシーズンオフを経て、今年も見事に帰ってきてくれた(喜)。これよりはマグロの刺し身と並んで、もっとも高い頻度で食卓に上るメインディッシュになる。夏好きの僕ながら、コイツがあるから秋も冬も愛せるってもんだ。
シンプルだからこそ気遣いがある。もっとも力を注ぐのは昆布だ。豆腐はもちろん重要なのだが、混ぜ物がない木綿を選べば十分。真ん中のツケダレも、醤油と鰹節、ネギしか入っておらず、それぞれ最低限のものを使っていれば十分うまい。とはいえ、僕は以前取材した醤油の蔵人に教わったことを守っている。「醤油や塩なんざたいした量は使うものじゃないのだから、少々値が張るものを選んだところで一食あたりはたいしたことはない。だったらいいものを選んだ方がいいだろう」という説得力のある言葉だ。というわけで、吟味した醤油を注ぎ込んだこのタレは絶品であり、もったいないからずっと継ぎ足しで楽しんでいる。
さて本題の昆布は、最近行きついたのが北海道の羅臼産のものだ。昆布に関してはこれまでもトレンドがあり、利尻にハマったことがあったりもした。3年前に見つけたこの昆布は高額で、お正月用に清水の舞台から飛び降りたのがキッカケだ。我が家では年越しを湯豆腐で過ごすからとの贅沢だったが、これが湯豆腐と相性が抜群にいいだしが取れる。以来、これ1本である。高いとはいえ、一回の湯豆腐あたりでせいぜい200円程度だから、醤油同様このくらいの投資は問題なかろう。それで抜群の湯豆腐に仕上がるのだから。
それにしても、こんなメニューが最高と言っているのだからつくづくおっさんである。シンプルゆえ飽きることが無い。少しずつ深まっていく季節までも楽しめるのもいい。ああ、また食いたくなってきた。
以前にもコメントしたように記憶していますが、
私の親父が湯豆腐大好きで、子供時分に晩酌しながら旨そうに食ってる
親父を見るのが好きでした。
それを受け継いで私も、そして次男坊の倅も湯豆腐党です。
まだそんなに高価な羅臼にはたどり着いておりませんが、
高峰を目指したいと思います。
ありがとうごさいます。以前もコメントいただきましたね。僕もまったく同じで親父の影響です。
ウチの近所にいいスーパーがあって、羅臼極上品のわりと大量パッケージが1000円ちょっとなんですよ。これで湯豆腐7〜8回いけるから、すばらしい仕上がりを考えるとそんなに大きな投資ではないです。他の料理は普通の昆布を使っていますから湯豆腐専用なんですよ(笑)。