いやースゴイ雨ですね。今朝も東京都内は電車が遅れたり、乗り入れが中止になったりしてけっこうな影響が出ているようでした。昨日は企画会議を開催したのですが、会場への移動でみんな全身びしょ濡れになってしまう有り様。途中には各所に小川が流れているし、なんか最新号も波乱の予感…!? さて、そんな最新号はすでに全国の書店に向けて旅立っているはず。明日には書店に並びますので、まずは手にとってぱらぱらとめくってみてください。懐かしいマンガたちが皆さんを待ってますよ。
それにしても、マンガ特集をやろうと決めて作業を進めている最中、『キングダム』が表紙の『Pen』には驚きましたね。見た瞬間、「このタイミングで特集被りとかないでしょ!」と叫びたくなりました。過去にはサンダーバードや、ウルトラマン、ゴジラ、サイボーグ009など、昭和40年男でぜひ特集したいと思っていた内容が先取りされてきたうえ、中身はいつもさすが!って感じでぐうの音も出ない内容なのです。くやしいけれど、本誌では決してできないような記事もあったりして、地団駄踏むような経験をしてきたので、今回は特に「まさか!」という気持ちでした。早速購入してみると「今読むべきマンガ」がテーマとなっていて、押さえるべきポイントをしっかり押さえた内容ではありましたが、古いマンガへの言及は少なく、内容的な被りはなかったので一安心。いやはや、心臓が止まるかと思うくらいびっくりさせられました。
さて、我が『昭和40年男』最新号のマンガ特集では、先日も本ブログで触れたとおり「70年代後半」を中心とした構成を心がけました。なぜか。それは小学校高学年~中学生が、多くの昭和40年男がもっともマンガに触れた年齢ではないかと考えたからです。もちろん、家庭環境や地域、コミュニティによる個人差は非常に大きいので、「俺はちがった」という人が大勢いるのは承知の上ですが、それでも高校に入ると部活や友達付き合いで忙しくなったり、音楽やバイクなどに興味の対象が移ったりします。そしてまだまだマンガは子供が読むものといった空気も残っていたので、「いつまでマンガなんて読んでるの」といった周囲からの指摘でマンガから離れてしまうという体験をもつ人も少なくなかったようです。ですから平均的には70年代後半こそ、昭和40年男のマンガ体験の中心にあるはずと踏みました。
この70年代後半という時期は、マンガ界ではいくつかの動きがみられます。そのひとつが劇画ブームが落ち着き、丸みを帯びた現代的なタッチのマンガが増えてくる動きです。つまり両者が同居する時代に入っていったのですね。さらに、先行2誌が停滞するなかで、異端的な作品を数多く掲載した『チャンピオン』、若手マンガ家の発見・育成に務めた『ジャンプ』が台頭していきました。これによってマンガ界は熾烈な競争がおこり、戦国時代ともいえる状況に突入します。新たなジャンル・カテゴリーのマンガが次々に現れて、後年に天才と呼ばれる作家もこの時代に活躍を開始。鳥山明、高橋留美子などはその代表格ですね。そして、もうひとつがメディアミックスの本格化です。マンガ作品のアニメ化、映画化といった動きが活発になり、マンガマーケットも拡大、アニメから原作マンガを知るという流れが生まれます。昭和40年男にとって『あしたのジョー』などはそのひとつでしょう。こうした時期に浴びるようにマンガを読んだのが昭和40年男だったというわけです。
というわけで、今回の特集で取り上げた13作品は、70年代後半に人気となったものばかり。いずれもマンガの新たな世界を拓いた作品だと思います。それぞれの作品についても、後日紹介していくので、お楽しみに。マンガ特集を掲載した最新号は明日9月11日発売ですのでお忘れなく!