「よいお年を!!」と叫んだ、今年最初の今年最後のお仕事。

99歳

昨日は宮城県仙台市からちょっと外れた川崎町でカワサキとの共催イベントだった。バイクイベントとしては珍しい、29歳以下のしかもカワサキファンに限定した、その名も『カワサキオーナーズU29ミーティング』だ。ここ数年は年に4回ほど開催していて、昨日は早くも今年の千秋楽となった。僕の仕事は毎度のMCで、1度は「ありがとうございました」と締めたのだが、このイベントは今年最後なことに気付き「みなさん、よいお年をお迎えください」と締め直したのだった。9月上旬でなんとも早い気がするがこれでいいのだ。

このイベントでは全日本モトクロスの三原拓也選手と全日本ロードレースの渡辺一樹選手をゲストに向かえてトークショーを展開している。それぞれ最高峰クラスでチャンピオンを目指して戦う、今年25歳の若者だ。トークはその時点で成績や後の展望などを聞き出すのだが、これは本音を言えばつらいこともある。記事を作る仕事も同様なのだが、インタビューでいい話ばかりが聞けるわけじゃない。ときには涙を流されてしまうことだってある。仕事とはいえ1人の人間のインナーへとえぐり込むように入っていくわけだから、そんな事態になってしまうのも仕方無しで、それが表現の仕事なのだからやはり仕方無しだ。表現者にとっては作り出した世界にふれてくれる方々のための責務であり、昨日の仕事だと集まってくれたお客さんのためだ。もちろん彼らライダー達もそのことを十分にわかってステージに立つ。

先週末に全日本モトクロスの取材を強行したのは、昨日の千秋楽を少しでもいいものにするためだった。昨日のイベントでは当然ながら直近となるこのレースの話題を中心に組み立てる。が、全体で20分のトークに占めるこのレースの話題はせいぜい5分程度で、効率としては非常に悪い。だがそれは表現には不可欠なことであり、そうした無駄とも取れるような活動がクオリティに繋がる。てなわけで過酷すぎた1週間前のレースを中心に、僕にミスはあったものの全体としてはうまくまとめることが出来た。

一方、ロードの渡辺選手とはひとつつらい話題がある。7月のビックレース『鈴鹿8耐』を避けて通ることは出来ず、このレースで彼は去年に続き大きなミスをおかしてしまった。年に1度の祭典で、もっとも注目を集めるレースでのミスは1ヵ月以上経った今も完全に吹っ切れているわけがない。きっと完全に断ち切るには、来年勝つしかないだろう。そのくらい彼が背負い込んでいるものが大きかった。だが当然ながら集まったお客さんは『鈴鹿8耐』の話を聞きたいわけだから斬り込み、彼もつらかったろうが丁寧に言葉を綴ってくれた。そんなこともあり、昨日は大きな疲労を感じた日になった。

そんな疲れはあったものの、今年1つ目の大きな仕事が千秋楽を迎えたのは心地よく、ゆうべのビールはうまかった。今年も本当に仕上げの季節に突入したんだな。これから1つひとつそうして仕上げていくのだ。大好きなお正月のために丁寧に幕引きをしていこう。それにしても残念なのが、昨日の時点で渡辺選手が25歳の誕生日を迎えておらず、昨日の千秋楽で100歳トリオを名乗れなかったことが唯一の後悔だ…、なんてバカな俺です(笑)。

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2件のコメント

  1. 今年のヤマハを見て、来年は各メーカーがより奮起してくれることを願います。

    • そうですね。あれほどの完全勝利は、もうさせちゃイカンです。

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