お国自慢を堂々と!!

なまはげ先日お客さんに連れて行ってもらった店は、かなりリアルに秋田を楽しめるところだった。セリが時期的にないのが残念と言いながらもうまいきりたんぽ鍋に比内鶏、ジュンサイやいぶりがっこなどなど秋田名物に舌鼓を打った。以前、仲間の結婚式で滞在してすっかり惚れ込んだ秋田料理が、東京で食えるのだからありがたいこっちゃ。最近会社のそばにも秋田料理の店ができて、予約無しでは入れないほどの盛況ぶりである。

諸々は演出であるものの、すっかりなごんだ。いろんな土地に行くたびにその習慣に驚くことは多々あり、その郷土色がハッキリ出ている空間には落ち着きを感じる。それは、日本の日本たる“なにか”があるからだろう。なんてことブツブツ言いながら楽しんでいたところ、とんでもないサプライズがこの方の登場だった。この店にはかまくらを模した洞がいくつもあり、中で食事を楽しめる。その入り口の穴をくぐり、突然このグロテスクななまはげが現れたのは本当にビックリした。そんな僕に容赦なく、なまはげさんは仕事をしない大人はイカンと、子供たちに「悪い子はいねがー」「泣ぐコはいねがー」とのごとく接してくる。50歳になったばかりだと伝えると杯を2つテーブルに起き、一升瓶から酒を注いでくれて乾杯である。なんだかうれしいぞ。そしてよく見ると日本らしさと愛嬌を感じ、なれればやはりなごむ存在だ。

先日、尊敬する先輩が週一で届けてくれるメルマガが『歴史の豆知識 知的文化のビッグバン』とのタイトルで届いた。要約して引用すると「やっとかめだなも」「おみゃあさんなにやっとりゃーす」とのお国言葉がわかるかとの問いで始まる。わかるわけがない。名古屋弁で「お久しぶりですね」「あなたは何をしてるの」との意味だそうで、2つの疑問が浮かぶだろうと続く。信長・秀吉・家康が天下を統一したのに、なぜ名古屋弁や三河弁は共通語にならなかったのか? 当時は連邦国家のカタチで各国、各地の言葉の根付きが強く、テレビ時代劇のようなわけにはいかず、文書がメインでコミュニケーションしていたからだと。ならば共通語はどのように広まったのか? 後にせっかく新政府ができたものの、例えば津軽出身者と薩摩出身者では会話が成り立たない。役人同士の会話ができなければ新政府の行政は絵に描いた餅になってしまうからと、ならば話し言葉と書き言葉を一致させよう。新政府のある東京の言葉、山の手言葉がよかろうということから言文一致運動になっていき、小説や教科書、新聞などメディアに広がり現在に至る。これにより共通語が普及して、日本近代化を推進した日本の知的文化のビッグバンになったとのこと。フムフム。

そして結びは「近年方言が見直されていることに少しホッとしている」としてある。その通りで、地域の言葉や習慣は日本文化の結晶の数々であり、そこから得られるあたたかな気持ちや感覚に価値を見出すように、現代人の心が向かっているのではないか。乾けばそれを埋めるものを探す。人間の心の自然な動きだろう。僕はといえばすっかりなまはげが気に入ってしまい、後日きっとまた会いに行くだろう。

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4件のコメント

  1. お面を取ったら浅野さんだった!・・というサプライズを期待したのですが(笑)

    • そのサプライズおもしろい。今度『浅草秘密基地』でやってもらいましょう。

  2. 今度一緒に行ぐべし(^-^)
    連れでってけらいん(^^ゞ

    • 浅野さん、気仙沼連れてって。魚ざんまいで遊びたいっす。

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