昭和40年生まれのマンガ家・池田邦彦が描く鉄道マンガ『甲組の徹』の第1話がWebサイト・モアイで7月16日より試し読み(コチラ)ができる。
講談社の週刊マンガ誌『モーニング』で不定期連載されている本作は、戦時下の日本を舞台に、高等小学校卒業して国鉄に就職し、蒸気機関車の機関士を目指す少年・西条徹男の苦闘が描かれた鉄道マンガ。時は日米開戦の年。鉄路の主役たる蒸気機関車の巨体を駆る機関士のなかでも、優等列車の牽引を担うエリート集団は「甲組」と呼ばれ、憧れの存在となっていた。生命をかける男たちのなかで徹男は甲組を目指す――。時代に翻弄されながらも鉄道に身を捧げた人々を描いた人間ドラマだ。
読んでみて思うのは、非常に綿密な下調べや取材が垣間見える点だ。当時の国鉄がどのような体制で鉄道を運営していたのか、その内実はどのようなものであったのか。まるで見てきたかのような描写は、さすが鉄道マンガの池田と溜息を付きたくなるほど。
それもそのはず、池田は鉄道関係のライターとして長く活躍していたという異色の経験をもつマンガ家で、昭和30~40年代の長距離列車に乗務する新人の客扱専務車掌の奮闘と成長を描いた前作『カレチ』も高い評価を得ている。知識に裏付けられた、鉄道ファンが読んでも納得の内容となっているのだ。しかも、そこで描かれるのはあくまでもそこで生きる人間であり、鉄道に詳しくない人でも全く違和感なく作品の世界に入っていける。
鉄道ファンも、そうでない人も、ぜひ一度読んでみてほしい作品だ。7/16発売の『モーニング』33号に第4話が掲載されているので、ぜひそちらもチェックしてみてほしい。
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