ハガキに震える昭和40年男。

ハガキ長い出張を経て昨日、久しぶりに会社のデスクに戻った。郵便物やFax、伝言メモなどが山積みになった机にうんざりしながら片付けていくと、きれいな字のハガキを見つけた。なんと先日の『福岡博多秘密基地』の参加者からで、しかも女性だったことにうんざりは瞬間的に吹き飛んだのだった。

お礼に始まり、主催者への気遣いが綴られ、再会の約束で結ばれた文章に泣けてくる。メールでいただくお礼だって嬉しくて泣きそうになるのに、こうして直筆でカタチになっていると感動もひとしおである。音楽を聴くのにアナログ盤を引っ張り出すのと同じ感覚で、何度も何度も眺めては感謝の気持ちに浸ったのだった。

僕ら世代は最後の自筆世代だと言えるのではないだろうか。社会に出てもメッセージはFaxや手紙だった。Faxの書き出しには“Faxにて失礼します”と必ず書けと上司より教わった。こんなカンタンに済ませるのは仕事の相手に大変失礼ながら、円滑に進めるために仕方ないのだとの気持ちを大切しろと。字が汚くてもいいからヘッダは丁寧に書いて送れというのも教訓の1つだった。ワープロは企画書のためで、手紙やメッセージのためではなかった。僕が社会の小僧の頃はそんなだった。

年月を経て手書きのメッセージを受け取ることは激減した。Faxもほとんど使わなくなった。仕事でのコミュニケーションはメールによって便利になり、スピードも格段に上がったのは喜ばしく、いろんな意味でレベルアップしている要素がある。気軽にやり取りが出来るおかげで文章と付き合う場面が増え、おそらく社会人の文章力も全体的に上がったのではなかろうか。他にもたくさんの恩恵は見当たる。

時代は移り変わる。これはなにも現代に限ったことじゃない。だが、ぬくもりを大切にしたい心はこれまでもこれからもずっと変わらない。手書きのものになかなか触れなくなったからこそ、大切なコミュニケーションだと言える。そしてその価値は、現代社会で反作用のごとく上がっている。うまくバランスさせられるのが、俺たちアナデジ世代じゃなかろうか。エッヘン。

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4件のコメント

  1. 人が書く文字の威力って素晴らしいですよね!(*´∇`*)
    福岡と埼玉、旦那さんと3年間の遠距離恋愛を支えてくれたのは文通と何ヵ月に1度のシンデレラエキスプレスでした。

    今でも新幹線のホームや空港の出発口に行くと胸キュンしちゃいます(笑)

    • ヒロさん、ありがとうございます。
      そうですか、シンデレラだったんですか。遠距離恋愛の経験は僕もありますが、手紙を書いたことはなかったです。今も昔も文字コンプレックス(笑)。

  2. 昔、好きな女の子に毎日1通届くように手紙を書き続けたことがあったなぁ・・・
    半年間一日も休まずに続けた。継続は力なり!!

    なんで半年でやめたかって?  振られたんです(^^ゞ
    こう見えて筆まめな僕。まさに「オレたちアナデジ族」

    • ジョニー藤好さん、ありがとうございます。
      スゲー、半年毎日とは180通以上ですよね。でもふられるんですね。真心がすべて通じるわけじゃないってことですね。

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