先日、タメ年の歯科医師である五島さんからのお誘いでラジオの収録に
行って来た。都内で訪問歯科医療を実践する彼とは、ツイッターで知り合った。
こうして少しずつ輪が広がっていくのはうれしいことだし、我々のような
零細出版社にとってメディア出演はたいへんありがたい。
番組は『ドクターごとうの熱血訪問クリニック』といって、五島さんが
パーソナリティを務めている。放送は次号発売直前の予定で、青森・秋田・
新潟・福井・北日本・北陸・静岡・岐阜・中国・山口・山陰・山陽・西日本・
長崎・宮崎の各放送局から流れるそうだ。ずいぶんと広域をカバーしている
ねえ、楽しみだよ。放送形態は各局によって異なり、10分番組として5日間
放送するところもあれば、まとめて編集したものを放送するところもあるとの
ことだ。(詳しくは番組HPをご参照ください)
録音は5回に分けて行なわれた。雑誌についてのアレコレを五島さんがうまく
引き出してくださり、100点満点とはいかないものの、ある程度伝えたいことを
話すことができたように思う。だんだん場慣れしてきたのかなあ。以前の
テレビ出演に比べたらずいぶん上手になっているはずだから、各メディアの
みなさん、安心してご用命ください(笑)。放送エリアにお住まいの方はぜひ
聞いてくださいね。なにも僕が出るときだけでなく、この番組はためになりますよ。
歯科医師としての経験をフル活用しての歯にまつわる話の数々は、むしろ
僕が出る日の方が番組を台無しにしたんじゃないかと思ってしまうほど、
興味のある内容だったからねえ。
僕がゲスト出演する1週間分と彼がピンでしゃべる1週間分の収録を終え、
ディレクターさんと一緒に打ち上げに出かけ、そこで歯についてアレコレ教えて
もらった。「歯はできるだけ削らない方がいいんです」。うんうん、そう願いたい
ものだね。僕が今の歯科医にかかる前に通っていた歯科医院の話をした。
虫歯が3本見つかった。それ自体は仕方ない。35年以上、歯医者に通って
いなかったのだから。でもね、詰め物は保険適用のものではダメだと言うのだ。
セラミックを入れようと。担当の女医さんはこう言った。
「銀の詰め物は必ず取れてしまうの。取れるとどうしてもまた削ることになるから
ドンドン歯が薄くなってしまうの。セラミックだったら取れることはまずないから
ウチではこれにしています」
そして、1本8万から始まる松竹梅メニューを言い渡された。確か、もっとも
高いのが20万円とか。最低メニューでも3本で24万円だよ。そんな金かけられる
わけないじゃん。つうことで治療が行なわれるという次回の予約をことわり、
その後の何度か電話をもらったが出ないで逃げた。今通っている歯科医院では
なにを訊くまでもなく保険治療で、銀の詰め物が入った。五島先生はこう答えた。
「詰め物の材質で取れやすい取れにくいというのは、原則ありません」
ガーン。ああよかったよ、逃げておいて。さらに衝撃的だったのは、虫歯のすべてを
削る必要はないというひと言。虫歯の経緯の問題なのだと言う。20年間かけてできた
小さな虫歯だったらもう少し様子を見てみましょうとなるそうだ。とにかく歯は削らないに
こしたことはないと繰り返すのだった。あと2年早く、五島先生にお会いしたかったものだ。
こんなことが世の中ではたくさん起こっているのである。あの女医さんはなにをもって
医師という職業にいるのであろうか? 五島先生との出会いは僕のメディア精神に
あらためて火をつけてくれたのさ。
楽しかったねえ。いやあ、熱いタメ年男との出会いはたまらないっす。こういう
出会いの度に、この本つくってよかったと思う。そしてこんな出会いを、これからも
たくさん生み出していきたいってね。