昨日に引き続き木村さんネタである。だってさあ、僕の高校時代からの
アイドルだよ。2月2日にここで書いたとおり、高校時代になると僕にとって
アイドルとはブルースマンやロッカーであり、木村さんもその一人であることは
言うまでもないというか、日本人で歌を歌いたいなら木村さんをリスペクトする
のはルールである (笑) 。春を迎えた日の夕方、憧れ続けた木村さんが
目の前に現れた。げーっ、本物だー。
先に書いたが、本気で追いかけなくていい存在だった。それは木村さんが放つ
独特の音楽魂によるものとそのまんまシンクロする。肩に力を入れない、力まず
自然体で音楽を奏でる方だからすべてのアルバムを持っていなくていいというか、
熱烈なファンじゃなくてもいいというか。でもね、焼酎を呑みながら棚から1枚
引っ張り出してかけると、もうそれは最高の瞬間を連れてきてくれる。
ライブを見れば必ず大きな感動をくれる。奇跡なんだよね、彼の歌は。
長々と語ってしまいましたが、その彼が目の前にいた。
夕方だったから、まずは撮影から始めた。雑踏の似合う木村さんだから、
なんの変哲ない路地で1カットもらった。「じゃー、タバコを吸ってください」
もうね、メチャメチャカッコイイのである。世の男たちよ、禁煙なんかするな…って、
俺もう禁煙生活20年近いけどね (爆) 。自然体でのワンカットが決まった (乞うご期待) 。
そしてインタビューが始まると、涙を必死にこらえている自分がいた。憧れ続けた
男から、歌の話を聞けるのはなんと幸せなことか。歌だけでない、大阪人特有の
ギャグがいくつも展開され、さらに泣ける話もいくつも飛びだした。
あるライブで「お前、こなしているだろ」と言われたと、苦しい話をしてくれた。
うーん、こなしちゃいけない。わかっちゃいるけど、でも人間必ずこなしてしまう瞬間は
あるよね。木村さんほどのシンガーでもそんなことがあるというのにはチョット安心して
しまったよ。年齢なんてそんなもんは意識する必要がないと、すばらしい兄貴の説教な
セリフも飛び出した。キヨシローさんの言葉の強さも力説していた。ああ、やっぱり
共通するものがあるんだな。歌をまっすぐに届ける人間というのは、やはりこういう人
なんだなととうれしくなる言葉がいくつも飛び出したよ。“歌は人なり” である。
あっ “文も人なり” だよ。
これまでのつたない編集者人生で二度目となったマイアイドル取材は、前回 (SIONさん) と
同様子供のような顔になっていた。同席した小笠原に見られているのが恥ずかしく
感じながらも「でもしょうがないジャン、アイドルなんだから」と開き直りつつがんばった
1時間30分だったのさ。別れ際「今日は最高にうまい一杯を呑りますよ」と言ったら、
あの木村さんらしいニカーッをくれた。次号 (vol.6)「ガツンとひと言。兄貴の説教」は、
こんな取材現場からお届けします。さあ、がんばっていい原稿に仕上げるぞー。