もうひとつの箱根駅伝風、フルマラソンエピローグ。

いやあ、もうすでに今年もひと月が過ぎたわけだよ。節分を越えれば
待望の春が暦にやってくる。暦だけでなく、少しずつ感じさせてくれる
変化が起こるよね。同時にくしゃみ人口が本格的な春と比例して
増えてくるのは嫌な話ですが…。僕もまだ花粉症宣言はしていませんが、
世間一般から見ると発症しているそうです。いや、そんなことはないと
突っ張り続けているが今年はどうなることやら。
あっ、本題だ。『もうひとつの箱根駅伝』って泣けるよね。
って知らない人の方が多いのかな。箱根駅伝の選手たちの裏側を
つづるテレビ番組なんだけど、今日はこれを意識して僕のチャレンジ話に
ケリをつけようとのアイデアだ(笑)。勝田全国マラソンを走ったことで
ふれられた小さな話です。

常磐線に乗り込むとメールが入った。「?」 なぜこの人からメールが…?
と開いてみると、フルマラソン完走への応援メールだった。以前、
ご近所づきあいの話を書いた僕がお抱えカメラマンとして活躍する
嶺町テニスクラブの方で、いやあうれしいなあこんな風に繋がるんですなと
胸があたたかくなっているところに、また1本クラブの方から入った。不意に
涙があふれてしまった。いやあ、加齢と涙は比例ですな。そういうことか、
次々と送られてくる。ひとつとして同じ文章などない。気持ちのこもった
言葉が移動中の僕に届くのだ。便利と思ったことは何度もある携帯電話
であるが、これほどまでにあたたかさを運んできたのは初めてだ。
涙したのももちろん初めてだ。

出会う可能性がほとんどなかった方々が気持ちを、心を送ってくれた。
しかも、言葉を吟味してだ。次々に届くメールを読みながら
「こりゃー完走どころか限界まで行くでしょう」とスイッチが入ってしまう
単純な僕であることは言うまでもない。フルマラソンは、いや、人間が
生きていく環境のすべてにメンタルなものはつきまとう。そいつを自然に
揺り動かすのは、こうしたささやかな気持ちが大きいな。あたたかさは
連鎖する。連鎖はそのまま仲間を形成していき、あたたかさを知った
人間が集い心が豊かになっていくのだ。

昨日ココに書いたように、怠け放題の今回にしてはよくやれたのは、
嶺町テニスクラブ員たちからのメールが効いたのだ。そしてあたたかい
気持ちは沿道からも寄せられる。見ず知らずの、しかも先頭から
何時間も遅いランナーに笑顔で声援を送ってくれる。小さな子供から
100歳を迎えたという婆さままでが、冷たい風が吹きすさぶ沿道でだ。
僕は彼らを知らない。彼らも僕を知らない。あたたかい気持ちの連鎖
だけがここにある。朝のメールのせいか、これまでもいつも感謝していた
沿道の声援が「ヤケに染みたぜっ」てな気持ちである。そして帰りの
電車では、読者さんからお疲れメールだ。疲れ切った体を癒すように、
そして朝から振れ続けた心への感謝がまた震えるような思いで
受け取った。1日を通じて人と人の連鎖のすばらしさを実感した。
それはそのまま『昭和40年男』のテーマでもあり、そのことは間違って
いないということにまた自信が持てた1日となったのだ。

人と人が様々なドラマを演じ社会が形成されている。もっとも
シンプルで良好なつながりを大いに感じた、今年のフルマラソンだった。

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