第24話 シオンのライヴ。

 
8月8日、夕方。
日比谷野音でビールを呑んでいる。
そんな余裕あるのかと
自分で自分につっこみながらも、彼の登場を待っていた。

出版に限らず、表現とはアウトプットの連続である。
その源泉となるエネルギーをインプットしていかないと
枯渇するのは当然のこと。
だが、時間はできる限り仕事につぎ込みたい。
このせめぎ合いが、いつも課題となってのしかかってくるのだ。

たとえば、つまらない映画に2時間使うとすごく後悔する。
愚痴とか悪口いってるヤツと呑むと、もっともっと後悔する。
上質なインプットタイムを求めて吟味しながら、
ひとりの時間を過ごしたり、
こうしてライヴに出かけるのはとても重要なことだ。
と、無理くり自分に言い聞かせている気がしなくもないが。

特上のライヴは2時間たっぷりで、
ものすごく元気をもらったよ。
“マイナスを脱ぎ捨てる 新しい朝を迎えるために”
涙でシオンが見えないよ。
だってそれ、俺に向けて歌ってくれてるでしょ。
と、どこまでもおバカな昭和40年男なのさ。

マイナスを脱ぎ捨てる

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