モンスターペアレンツの現場より。

先日、会社にうれしい訪問者がみえた。中学時代の先輩で
その当時の先輩の中で唯一といっていいお世話になった方だ。

当時の僕は背が高く、目が悪いくせに眼鏡をかけるのがいやで
目つきが悪かった。となると、先輩にいじめられるわけだが、
この先輩はそんな現場で僕を守ってくれたのだ。
陸上部に所属していて、荒川一中を駅伝の常勝チームへと牽引して
やはり名門高校で駅伝に取り組んだ。と、その辺りでどんな人生を
歩んだのかはわからない状態になっていたが、陸上関係の仕事を
していると風の噂で聞いていた。
それがなんの縁なのか、去年の秋に浅草でばったり出会した。
いくつになっても先輩は先輩なわけで、直立不動姿勢で会話を交わし
名刺を交換した。年が明けて電話が入り、近所の高校に行く用事があるから
オフィスに遊びに来てくれるとのこと。こうしてお越しいただいたというわけだ。

陸上関連の大会やチームのサポートをする仕事にとのことで、たとえば
マラソン大会の記念Tシャツや陸上チームのユニフォームを作ったり
という仕事を通じて、現在では企業のプレミアムも手がけとのことだ。
僕らとも接点がある。そんな仕事の話もさることながら、ちょっと図々しいが
タメ年の人脈をたくさん持っていることは想像に難しくない。
先輩の同級生となる1〜3月生まれは本誌の対象読者であり、また、
今の仕事をするかたわら、やはり陸上の指導者として活躍しているそうで
人脈は豊富である。僕を助けるくらい面倒見のいい先輩だから、1つ下の
後輩にもきっと人気者であろう。とにかくね、人格者なんよ。

やがて切り出したのだ。
 「今回の企画では家族をテーマにしていて、いろいろな家族を取材したいのです」
 「うん、ちょっとあたってみるよ」
 「この雑誌は人探しが生命線なんで、末永くご協力をお願いします」
 「わかりました。協力します」
うれしいねぇ、また1人強力な仲間が増えたよ。

もうひとつ聞くことができたのは、今も多くの中高の陸上部に通って
指導し続けている方だから肌で感じているだろう、子供たちの経年変化だ。
 「親だよね、問題は。授業参観で子供の写真を携帯で撮るんだよ」
 「ひえー」
 「あとね、教室で授業中なのに平気で携帯に出るんだ。」
 「ひえー。モンスター化はどうですか?」
 「ひどいね。教師がドンドン精神的に追いつめられている」
僕の私見も加味しての言葉になるが、平成に入ったころから
顕著に子供が弱くなっていった。その原因は親にあると。先生だって
人間だからもちろん間違いはあるし感情だってある。問題なのは
多くの親が先生という存在をただの人として扱ってしまっていることだろう。
きちんとした親だってたくさんいるけど、割合としてどんどん少数になって
しまっているとのこと。続いていくのだろうな。批判と誹謗中傷を一緒くたにして
垂れ流しているメディアにも大きな責任がある。

と、そんな意見交換をしたのでした。ありがとうございました、先輩。

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