初夏の陽気となっている東京だ。もみじはこんな感じできれいな緑で楽しませてくれ、初夏の葉桜はもう少しで花の残骸を完全に落として見頃となる。「葉桜見」と呼んで楽しむ僕で、元気な新緑を眺めていると元気になれる。そんな気持ちを幼い頃に植え付けてくれた曲のひとつが、キャンディーズの『夏が来た!』だ。
夏の曲ながら、曲調と相まって初夏の陽気が混じってくる5月上旬あたりのイメージが強い。歌い出しが、♪緑が〜で始まることもこの曲を強く引っ張っていて、♪青い海〜で始まったらまったく違う曲と感じていたと思う。作詞、作曲と編曲までなさった穂口雄右さんには「ちょっとお前違うぞ」なんていわれてしまうかもしれないが、僕にとっては断然5月の歌なのだ。砂の上に寝ころんでいるのも、まだ海に入るのはちょっと早い季節なんだと、僕の勝手なイメージでこの曲を口ずさむ。
さらに、この曲への強いイメージの向こう側にあるのが『手のひらを太陽に』だ。学校で習ったこの曲に登場するキャラクターは、トンボにカエル、イナゴやカゲロウと夏の生き物ばかりだが、勝手ながらこれまた5月の名曲として自分の中にある。生の尊さを感じさせてくれる点が共通で、どうやら僕は5月に生命の勢いを感じるらしい。
そんな風に、自分の感覚によって曲の解釈を変化させてしまうのは決して悪いことじゃない。なにがなんでも作家の気持ちを解釈する必要なんかなく、受け手の楽しみの余地はあっていいはすだ。
僕ごときの鈍い感性を引き出してきて恐縮ながら、昨今はそんな感性の投げあいができる曲が減っているように思う。誤解でもいいじゃないか。自分がこう感じるという主張だってドンドンするべきで、たくさん恥をかいていい。作り手だって遊び心やちょっとした仕掛け、三歩前を走るような難解さを入れ込んだりして受け手に届ける。かつて僕らが夢中になった歌謡曲にはそんな曲が数多くあった。めっきり減ってしまったのを、歌番組を見る度に強く思う。同じようになげいているタメ年諸氏は多いのではないだろうか?
なんて頼もしい息子さん!(笑)
今の若い人の頭にもやっぱり残りやすいんですね。
今人気があってヒットしていると言われている曲を聴くたびに、
感性のギャップをものすごく感じてしまいます。
押しつけや良くないですが、息子さんのように、
今の若い人にも昔のメロディアスな名曲をもっと聴いて欲しいですよね^^
マナサビイさん。
高3の愚息も昭和アイドルやポップスをよく口ずさんでいます。
奴いわく、頭に残るんだとか。
平成乃昭和さん、マナサビイさんもおっしゃっているとおり頼もしい息子さんですね。どんどん染めて、日本の将来に役立つ男に育て上げてください。
最後の6行、全く同感です。
自分が歳をとったせいで新しいものを受け入れることができなくなったのかな?
と自問自答する時もありますが。。。やっぱり明らかに劣化していますよね。
以前、シティポップ特集の号を拝読した時、プロの方も同じようなことを思っておられるんだなあと感じたのを覚えています。
マナサビイさん、共感いただきありがとうございます。
シティポップの取材現場では頷くことばかりで、まるで代返していただけたような嬉しい気分でした。
昭和歌謡やポップスそしてアイドルといわれた人たちの歌う、あの時のあの歌の歌詞やメロディの印象深さは、現代の流行り曲の浅さとは何かが違いますね。
多様化してきた音楽ではありますが、刺さり方が昭和の時代と確実に違っていますね。
刺さる。そして受け手が考える。そんなことは必要なくなってしまったのでしょうか。そんなはずはないですよね。