全地球の怪獣ファンを席巻した大人の夜のテーマパーク、『怪獣酒場』がこの度、装いも新たにリニューアル、題して『帰ってきた怪獣酒場』の看板を掲げて再び営業を開始した。もちろん、ウルトラ戦士たちや科特隊、ウルトラ警備隊にはあくまで極秘の再開だ。
『怪獣酒場』は2014年3月、ウルトラマンたちに敵対する怪獣や宇宙人たちの密かな憩いの場として、バルタン星人を店長に神奈川県のJR川崎駅前にオープン。怪獣をテーマにした内装やユニークな料理、凝った飲み物を提供するという、昭和40年男を含めた怪獣好き男子の心を鷲掴みにする夢の空間として話題となり、予約至難、連日長蛇の行列を作るほどに盛況を極めた。
だが、好事魔多し。あまりの盛り上がりに、店の存在はついにウルトラ戦士たちの知るところとなってしまった。これはまずい、そう考えたバルタン星人店長は今年3月、酒場撤退の一大決断を下した。すると、作戦は見事に的中、ウルトラ戦士たちは素直に引き下がり監視の目はとたんに緩くなった。そのすきをうかがう形で、怪獣酒場は撤退からわずか半月後の4月15日、ウルトラマンの例にならうように、“帰ってきた”のだった。
ということで、「帰ってきた」の冠にふさわしく、リニューアルした怪獣酒場では、『帰ってきたウルトラマン』から『ウルトラマンレオ』までの第2期ウルトラシリーズに登場する怪獣・宇宙人を強調した作りになっているのが最大の売りだ。カウンターの向かいの怪獣別テーマ席には第1期シリーズの人気怪獣ゼットン、キングジョーに加えベムスター、ベロクロン、アストロモンスの席が加わった。店奥にある宇宙人専用席の来客もフック星人、スチール星人らに変更になっている。
また料理メニューには『グドンおすすめのツインテールのフライ』『タッコングおすすめ!オイルとタコのハーモニー』、さらに古代怪獣ゴモラのしっぽを輪切りにしたイメージの『大阪の悔恨~自虐のローストビーフ』など、劇中設定を巧みに織り込んだやけに凝った品々が新たにラインナップ。気分だけでなくお腹の中まで怪獣まみれにさせてくれる演出でいっぱいだ。
さらに、店の一角にあるVIPルームは、前回のメトロン星人とちゃぶ台を囲う『欲望の部屋』に代わって、ペガッサ星人が化粧台の前で大きく手を広げる『要望の部屋』に。こちらはお誕生月の来客限定で、化粧台の前に座ってあのアンヌ隊員になりきれるというわけ。部屋の中で誰かに向けての『要望』をしたためてると壁に貼ってもらうことができる。今回の内覧会ではそこになんと、“アンヌ隊員によく似てる”女優のひし美ゆり子さんがサプライズゲストとして登場してくれた(ウルトラ警備隊隊員は入店禁止なのであえて回りくどい言い方になっているのだ)。
そんな、かつての怪獣少年たちの気持ちを掴んで離さない『帰ってきた怪獣酒場』、今回も行列必至、予約困難が予想されるが、チャンスを見てぜひ1度は立ち寄ってみようではないか。(取材・文:足立謙二)
<帰ってきた怪獣酒場>
住所:神奈川県川崎市川崎区駅前本町3-1
NOF川崎東口ビルB1
営業:昼4:30~夜12:00
座席:約100席
電話:044-210-5565