昭和40年生まれのアーティスト・小沢 剛の作品が、東京都の六本木ヒルズにある森美術館にて4月25日より展示される。
4ヶ月に渡る改修工事に入っていた森美術館だが、4月25日よりリニューアルオープンが予定されている。多様化する現代美術の表現に柔軟に対応できるよう、展示空間の高機能化を図っているという同館。そのリニューアルに合わせて新たな常設展示を行なうというのがMAMコレクションシリーズだ。その一つとして開催されるのが小沢剛と下道基行による『ふたつのアジア地図』である。
小沢(1965年生まれ)と下道(1978年生まれ)という世代の異なるふたりのアーティストが見てきたアジアを紹介するという本展。小沢は80年代末から世界各地を旅し、その場の風景に伝統的な日本の風景を象徴する地蔵を添えて撮影してきた。本展では、この「地蔵建立」シリーズのうちアジア各地で撮影された作品を展示する。一方の下道は、2006~12年にかけて、日本の国境の外側にある太平洋戦争の遺物として、今も残る鳥居を撮影してきた。明治から終戦まで統治した台湾や韓国から、サハリン、サイパンまで、本殿を失った鳥居の歴史と現在を切り取っている。彼らが歩き、写し取ったアジアの風景からはどのような営みが見えてくるのか。
小沢は、醤油で描いた作品『醤油画資料館』、世界中を旅して手製の小さな地蔵を写真に収めた『地蔵建立』シリーズ、90年代の若手アーティストの作品を牛乳箱の中に展示し、日本特有の貸し画廊を皮肉った『なすび画廊』など、ユーモラスな作品で知られるアーティスト。日本を代表する現代美術家たちによって結成された昭和40年会のメンバーでもある。2012年より東京藝術大学・先端芸術表現科准教授を務めている。
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