昨日の夕方、突然の呼び出しで出かけたのは港区青山にあるホンダの本社ビルだ。仕事で初めてここを訪ねたのが1994年だった。もう20年以上通っていることになり、仕事の打ち合わせだけでなく、さまざまな発表会などはいつもワクワクさせてくれる。つい先日もF1復活記者会見で、力強いチャレンジ宣言を聞いたばかりだった。だが毎度いい訪問というわけじゃない。F1からの撤退や前社長の福井さん退任発表といった重苦しいこともあった。昨日もそうだ。伊東さんの突然の社長退任発表だった。
昨今のホンダに強い逆風が吹いているのはご周知のとおり、リコール問題があまりにも大きい。リーマンショック後のやはり逆風が吹きすさぶ中で福井さんから受け継いだ経営は、さぞ困難が多かったことだろう。昨日の記者会見でも、質疑応答で伊東さんはリーマンだけでなく震災の苦労などを口にしていた。だが同じ境遇下でトヨタは業績を伸ばした。リコール問題も大きく取りざたされたがしっかりと対処して、ついには年間1000万台の販売を達成し、今年の決算では為替の恩恵は大きいものの過去最高益を記録する見通しとなっている。ホンダは600万台の目標を掲げたが、そこに品質の落とし穴があったかのごとく苦境となってしまった。
新社長については馴染みのない方で、どんな舵を切るのかまったく想像がつかない。昨日の会見でどんな人物なのかを知るには、時間とコメントが少なすぎた。
今年の始めには伊東さんからの打診があったと話していたから、先日のF1会見ではすでに伊東さんは降りることが決まっていたのだろう。その上で力強く「チャレンジ」を繰り返した男の心境とはどうだろう。世界を相手にビジネスを展開する日本を代表する企業のトップは、その本人にしかわかない苦悩があることだろう。
2代続いて強い逆風下での社長就任を見た。伊東さん就任の時も重さを感じさせたが、昨日はもっと苦境に感じてしまった。仕事相手ということをさっ引いてもホンダファンの僕としては、今回の重苦しさは杞憂に終ってほしいと願うばかりだ。がんばれホンダ!! そして伊東さん、お疲れさまでした。
ニュースを見た時、伊東さん短かったな〜と思いましたが、実際は6年だから最近の社長さん達と変わらないんですよね。
歳とると時間の流れが早いなぁと、こんな事で感じてしまうオレでした(^_^;)
まったく同じ印象を持ちました。福井さんと2人での記者会見が6年前とは…。