昭和40年生まれの美術・文化社会批評・アライ=ヒロユキの新著『オタ文化からサブカルへ ナラティヴへ誘うキャラクター』(繊研新聞社刊)が発売されている。
アライは、美術、社会思想、サブカルチャー、歴史などを中心に、雑誌や新聞、ポータルサイトや展覧会図録などに執筆する他、美術展覧会などを企画・キュレーション、講義や講演も行なっている。著書に『宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン』、共著に『アート・検閲、そして天皇』、『エヴァンゲリオン深層読解ノート』などがある。
本誌『昭和40年男』でも執筆経験をもつアライ。本書は社会との接点から、アニメ表現の核心を読み解くものだという。『風立ちぬ』『イデオン』『Free!』『銀河英雄伝説』といった作品から、消費社会論とキャラクター行動論を超えた、アニメ表現の存在意義を説き明かす。
<目次>
はじめに なぜサブカルチャーなのか
欲望と消費
・宮崎駿はなぜ政治的に正しくないか
・サブカルチャーを定義する
・ジェンダー消費を読み替える表現
・リメイク作に見る、消費と読み替えかた
自由と抗い
・風俗から反逆へ。ルパンの足跡
・東北が表象する、ハーロックの孤高
・命名と命令から逸脱するもの、キリコ
・軍隊と警察への嗜好、民主主義の忌避
世界と物語
・演劇性が提起する視座とは
・退色か豊穣か。セカイの叙述法とは
・ガンダムへの返歌をめぐって
・戦いという闇で示す人の業、尊厳
・歴史の読み替え。ポストモダン的なズレ
テクストと解釈
・表象分析で見る、サブカルの極限
・出崎演出が描いた、運命に抗う人々
・公的領域に侵蝕するサブカルチャー
・ヒーローであり、鑑賞者である意味 銀河英雄伝説
このコーナーでは昭和40年生まれの活躍を紹介。どんな些細なことでも我こそは!という昭和40年男はぜひ『読者投稿欄』から投稿を!