昭和40年生まれの作家・星野智幸が執筆した小説『夜は終わらない』(講談社刊)が第66回読売文学賞の小説賞を受賞した。
本作は昨年5月に刊行された長編小説で、著者いわく、アラビアンナイトを現代日本に置き換えるとどうなるかということが、執筆のきっかけだったとか。「破天荒で、生命力に満ちていて、残酷でエロティックな(公式サイトより引用)」同作品の世界がいかに展開されていくのか。非常に興味深い試みといえる。野田秀樹氏の選評によると「止まらない劇中劇」というタイトルで「終始、言葉の面白さで弾んでいる。弾み続けている。書いている人の愉悦が感じられる。それが、爽快だった」と語られている。これを見ただけでぜひ読んでみたくなるというものだ。
星野は大学卒業後、産經新聞社の記者を経て91年にメキシコシティに留学。帰国後はスペイン語と英語の字幕翻訳を手がけながら、年に1本のペースで小説を書き、97年に『最後の吐息』が文藝賞を、2000年に『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞を受賞する。さらに02年『砂の惑星』には芥川賞候補に挙がると、03年に『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、2011年『俺俺』で第5回大江健三郎賞をそれぞれ受賞している。
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