暮れということで、今年の10大ニュースで〜す。
あくまで僕個人が、今年一年間の本誌編集作業を通じて出会った事件(?)を不定期に連載しているぞ。
いよいよ残すところあと3つだ。それでは、第3位。ドゥルドゥルドゥル〜、じゃん。
「最長&最短インタビュー。2人の瞳が強烈光線!!」
インタビュー取材が多い『昭和40年男』である。
人生の数だけ学べるのと、元気をもらえるから
できるだけ多くのインタビュー記事が入るように企画している。
今年1年で実に多くの方々が語ってくれ、印象的な言葉の数々を残してくれた。
自分で担当したものの中で、事件と呼ぶにふさわしかったのが
タイトル通りその極端な取材時間の2本である。
もっとも長い取材になったのが、本木雅弘さんだ。
撮影込みではあるが約3時間半の時間をくれた。なんともありがたい話である。
マネージャーさん曰く、いくつも対応しながらポンポンと切り替えられるタイプでないとのことで、
数少ない取材対応雑誌に選んでくれ、長時間の取材となったのだ。
多分、すべての話を掲載したら15ページほどになっただろう話を
切ったり貼ったりするのはもったいないことであるが、記事としてのクオリティは高いものになる。
そりゃーそうだよね、単純に入力量が多いのだから。うれしかったのが、バックから最新号を
取り出して「北村さんのメッセージは読みましたよ」と、僕が書いた部分をチェックしてきてくれたことだ。
撮影を済ませてから臨んだ約3時間のインタビューは、誠意に応えるように懸命に言葉を拾い続け、
すさまじい疲れを残して終了した。あの奥の深い瞳とずっと対峙してだよ。
姿勢がね、崩れないんですよ。“おくりびと”のまんまの姿勢で、椅子に浅く座ったまま
たった1度しか背もたれにいかずに、背筋を伸ばしていた。
こうして、最新号のインタビュー記事ができ上がったのだ。
もう1本は逆にインタビュー記事をつくる取材としては、過去最短となった
前号に掲載した野口聡一さんだ。現場でひと言くださいというのはもちろんあるが、
こうして席についてのインタビュー取材としてはつたない取材者生涯のなかで最短であった。
こちらはJAXAさんの仕切になるから、より多くのメディアに対応したいところなのだ。
30分刻みに入れ替わり、次から次へと取材に対応していくのは相当な集中力がいるだろう。
だが、まったく抜けた回答がなかった。ちなみにこの日はウチの他に10本以上の取材を
入れていたというのだから、さすが宇宙を飛ぶ男は違う。記事にしたとおり、
ものすごい訓練を繰り返しているからね。こっちも負けないように、凡人なりに
持っている集中力のすべてを投入して25分の会話をこなしたのである。
部屋を出たときは床にしゃがみ込んだほど、100m走のような疲れだった。
瞳の奥に宇宙が見えるような、どこまでも澄んだ瞳が印象的だったな。
どちらも記憶に残る現場だった。こうした修羅場というと大げさかも知れないけれど、
いい経験はきっと本づくりの根本へと繋がっていくという意味でも、大きな第3位でした。