昨日に引き続き、こののブログの年越し特別企画の『表紙で振り返る2014年』の第2弾にいってみよう。
昭和40年男にとって野球は、単にスポーツでなく仲間との遊びの王様であり、コミュニケーションの中心にあった。観てよし、もちろんプレイしてもよし、さらにカードコレクションやゲームも多くが存在した。そんな中にあって、すべての昭和40年男の心に突き刺さるものといえば野球盤しかないはずだと、大胆なる起用を決定したのだ。
野球盤が甲子園になったように見せたいとの無理難題をカメラマンに伝えると、野外での撮影を敢行してくれた。自然光の下で野球盤の背景を考慮しなければならない撮影で、ランナーの影はそのままお陽様によるものである。なんとかいいカットが仕上がって、さあ、ここからがまたひと工夫となる。バックの空と雲と木を合成した。スコアボードの点数が入っていないところは切り抜いて、下地になっている雲を見えるようにして馴染ませる。細かな作業をいくつも積み上げて、やったー完成だと喜んでいると編集部員からボールがあった方がいいとの意見が出た。
このモデル(!?)となった野球盤は古くて、ボールはさびさびのまっ茶色だったから撮影に耐えられないとのことで、盤上に置くなんてまったく考えてもいなかったとカメラマン。よーしならばと、単体できれいな玉を撮って合成しようということになった。この撮影は写り込みと戦いながらの決してラクでない作業だった。撮ってくれたものを緊張感のある場所に置いた。ランナーの影と同じように仕上げるのもひと苦労で、今度こそやっとこさ完成となった。
このバカバカしさこそ『昭和40年男』だと今も胸を張っている。多くの読者さんが笑ってくれたことが、僕にとっての勲章だ。