中1の12月のことを昨日のことのように思い出す。クイーン、ジャパン、チープトリック、ロッド・スチュワート、エアロスミス、レインボウ…などなどのアルバムの、どれが入手するに値するか悩んでいた時期だ。僕にとっては、人生のターニングポイントへ向かっていった時期とも言える。
キッカケはお年玉革命が起こったことだ。小6までのお年玉は、両親からもらう以外は預けることになっていた。貯金に回すとお袋は言ったが、その預金通帳なんざ今に至っても見たことがない。もっとも、息子のお年玉を同じように“預かった”が(笑)。そして中学にあがったのだからそろそろ自由に使わせてくれと願い出たところ、意外にあっさりと受け入れてくれたのだった。この大革命に歓喜したのは言うまでもない。
それまで手にしたことのない大金を得ることが決まり、12月はソワソワしっぱなしだった。授業なんかそっちのけで、誰がいくらくれるのかをリストアップしてその使い道を考える。ヤマハのアコースティックギターを入手するのは決定事項で、近所の楽器屋で一番安い13,500円也がまず引かれる。残りからは当時ハマってしまった洋楽のレコードに回すことした。予算はあくまで予想に過ぎないから、レコードのリストには順位を付けていく。この作業が実に楽しかった。まだまだ知識が乏しいから情報収集に懸命になった。結果、初めて手に入れたのはクイーンで、当時リリースされたばかりの『ジャズ』を抱きしめたのはまだ冬休みの1月5日で、僕は興奮しながらレコード針を落としたのだった。
思えばこの日が今の人生に繋がっている。それまでに出会ったなによりもロックは僕を夢中にさせた。凄まじいまでの集中力とどん欲さで音楽と接し続けた経験は、不器用で鈍臭い僕を飛躍的に成長させてくれた。そんな感謝の気持ちもあってか師走を迎えると、ノートに何枚ものレコードのタイトルを書き綴っていた中1の二学期をついつい思い出してしまう。あのお年玉革命が起こらなかったら、僕と音楽の付き合い方はまったく違っていただろう。そのまま、今とまったく異なる人生だっただろう。みなさんも子供のお年玉は取り上げない方がいいですよ(笑)。
そして捨てられないんですよねえ、レコード。CD買いなおしたのにこの「JAZZ」も。
やっぱりすてられないんですよねえ、ギター。YAMAHA「FG-201B」アコースティックギター。
そしてどちらも一応・・・鳴ります。
アコギはある日実家に帰ったら、鬼お袋が捨ててしまったとさ。男のロマンを理解していないのですな。
ジャズは友人に貸したまま戻ってきません(泣)。俺の青春なんてこんなものです。