「ひばりが出ないんじゃ紅白なんて見ない」と、美空ひばりさんが落選になった年のお袋は、言葉どおりに『紅白歌合戦』のオンエア中に銭湯へ行ってしまった。帰ってくるとガラガラで快適だったとご満悦だった。つい先日、今年の紅白の出場者が発表になって、あの日のお袋の気持ちがわかった。「サブちゃんが出ないんじゃ紅白なんて見ない」と言いたくなった僕だ。
去年の大晦日に紅白の引退を表明したのだからもちろん覚悟していたことだが、その名前がないことであらためて大きな失望感を味わっている。長嶋さんのいない巨人、マグロをきらした寿司屋、ジミヘンが吠えてないウッドストック。たとえるならこれらと同等のショックで僕に襲いかかってきた。サブちゃんがドーンといることで、他の演歌歌手もそうでない歌手までもが輝きを増すと思うのは、もちろんファン心理が強いのはわかっている。わかっちゃいるが言いたい。三波春夫さんや美空ひばりさんといったビッグネームたちの後を引き継いで、日本の大晦日を特別なものにしてきたのは間違いなくサブちゃんだ。本人だってその意識があったはずだし、ずっとその責務を背負っていた。逆に、だからこそ去年の引退だったのだろう。
ため息まじりで出演者を眺めていくと、僕にとってひとつの大きな救いとなったのが中島みゆきさんの出演だ。朝の連ドラの主題歌を歌った時点で期待はしていたが、そのとおりになったのはうれしい限り。そしてもうひとり、鈴鹿ひろ美…、いや薬師丸ひろ子さんが歌手として初出場が決まった。まさか『潮騒のメモリー』はないだろうが、ひどいあまロスに苦しむ僕が期待しないってのは無理だな(笑)。
さらに眺めていくと絢香ちゃんがいるじゃないの。『三日月』が大ヒットする直前にインタビューしたことがあって、とってもカワイイ女の子だったのが今やベテランの域にいる。みゆきさんと同じく連ドラ主題歌を歌うだろうから、もしかすると鈴鹿さんと合わせて連ドラナンバー3連発となる紅白が実現するかもしれない。いやっ、こうなったら椎名さんにも『カーネーション』のテーマ曲を歌ってもらい、おーっ、いきものがかりもいるぞ…っていい加減にしろっ。
と、紅組は石川さゆりさんを筆頭に演歌の大御所や、和田アキ子さんらを含めて僕好みのバランスが保てているが、白組のラインナップはホントに魅力がない。ここに北島三郎の名が加わっているとグーンとバランスが作れるのは、前述したとおり北島の親父さんがいかにを重いものを背負っていたかがわかるはずだ。ともかく白組出演者はバランスが悪くて期待が薄い。そうそう、好感の紅組も48系は出場枠を限定したらいかがだろうか。いくらなんでも4組は多すぎると昭和のおっさんは思ってしまう(悲)。
去年の発表時は、サブちゃんのトリと『あまちゃん』コーナーに胸をときめかせて、師走を突っ走るパワーの源になったのだが、今年は半減以下となってしまった。お袋のように「見ない」とバサリと切れない僕は、ブツブツ言いながら過ごすのだろうか。いや、そんな年越は絶対にイカン。ならば出場者の曲を出来るだけ覚えて、一緒に熱唱しながら過ごすことにするか。いくぜ、ももクロ!!
全然見てないな〜、あまちゃんコーナーもNHKオンデマンドで見たし(^_^;)
オレは紅白の出場者よりも、以前は化物紅白を倒してやるぞという心意気が感じられる番組を作ってくれていた各民放が、最近はまったくダメダメなカンジになってしまったのが残念かな。
ca-niさんのおっしゃるとおり!! 紅白をぶっ飛ばせという気概が民放各社にありましたよね。あの頃は我が家のリモコンも大忙しでしたよ。格闘技で埋め始めた頃からだめになったのかな。
小林旭でも引っ張り出して欲しかったな~。昨年亡くなった大滝詠一の曲で。NHKちからね~な~。
レオ貴さんのご提案は素晴らしいですね。ああ、そうかと唸ってしまいましたよ。