僕の机から見た相変わらず汚いオフィスだ。僕の机は汚くてとてもじゃないが見せらたもんじゃなく、オフィスを入れてパチリとした今日の主役はこの名刺ファイルである。600人分収納できるなかなかの大容量を誇る。2冊あるのは右が主に『昭和40年男』関連で、左がバイク関連用に使い分けていて、さすがにバイクの仕事が長いだけあって左の方が密度は高い。だが仕事に関わった年数を考えると、赤丸急上昇で追いかけている状況だ。
今イメージしているのは、もう一冊の名刺ファイルが必要になるような仕事をぶちあげることだ。『昭和40年男』はなんとか5周年を迎えて、さらに50歳が近づいてきた今がそのタイミングだと自分に言い聞かせている。この2冊のフォルダが象徴しているこれまでの仕事人生は激しかった。だがこれからが勝負なんだと『昭和40年男』が教えてくれている。僕自身が大好きな連載の『ガツンとひと言。兄貴の説教』に登場いただくほとんどの方は、僕らの年齢を差して人生これからだとおっしゃる。今からこそが勝負だともよく聞く。
およそ10年前になるだろう。仕事の先輩から、40代になると自分の引き出しの中からだけで仕事をしがちになるけど、それが一番よくないことだと説教していただいた。これまでの経験をベースにして、新しい自分を構築するのが40代なんだとの言葉は僕をいい方へと導いてくれたのだった。おかげで、失敗はしたものの音楽雑誌に手を出し、さらに『昭和40年男』を創刊するに至ったのである。先輩の強い言葉によって、僕は40代を突っ走ることが出来た。そして10年を経て今度は、誌面に登場してくれた兄貴たちの説教が僕に突き刺さっているのだ。
どんなアプローチにするかはまだまだ決定してないものの、ワクワクするプランがいくつか固まってきた。スタートさせればまた新しい出会いをたくさん得られるのだろう。怖くもあるが、兄貴たちの説教が僕を揺り動かしてくれている。人生を導いてくれる先輩たちが、誌面に次々に登場してくれているのだからありがたいことだ。バイクと昭和40年関連の仕事を大切にしながら、さあもう1本に向けて今日も走るぞ。