〆切後は好きなアルバムをじっくりと聴きたくなる。今回はデレク&ザ・ドミノスの名盤『いとしのレイラ』で過ごした。ビールと焼酎をじっくりと呑りながら聴く傑作は、疲れを癒してくれるのだ。
しんどい〆切だった。作業まっただ中の日曜日に三重県の鈴鹿サーキットで行なわれた『全日本ロードレース選手権』の取材に出かけ、夕方6時過ぎに終えて未明に編集部に戻り、翌月曜日に最終の作業を終え印刷所にすべてを託した。その夜、ボロボロになりながらやっとこさうまいビールと特上の音楽にありつけたのだった。
忙しければ忙しいほど、苦しめば苦しんだ分だけ一口目のビールの味が増す。「うーん、うまい」と思わず声がこぼれてしまった。こんなうまさを味わえるのだから、もっともっと自分を追い込んだ方がいいななんて思いながら、束の間の休息を噛み締めたのだった。
昨日よりはバリバリと戦闘モードだ。次号は年に1度の恐怖、年末進行である。年内に印刷をあげてそのまま印刷所で待機となり、新年7日に全国へと旅に出るのだ。印刷フィニッシュが26日の予定だから、じつに12日もの待機時間がある。つまりそのまま、普段の進行よりも12日も早くに手放さなければならないのだ。ウーム、大変なことになっている。
もうホントに今年が押し詰まってきたのだな。そして年が明ければ俺たち昭和40年男は50歳を迎える。これまででもっとも大きな壁を乗り越える気がしているのだが、みなさんはいかがだろうか。かつて人生50年と言われたその壁である。現代においてはまだまだ続くだろう人生ながら、その仕上げを決定づける重要な10年が50代だろうと僕はとらえている。これまでの経験や培ってきた実力のすべてを注ぎ込んで、自分にとって未知の世界を築くような仕事や体験を積んでいきたい。自分のスケールを大きくする最大にして最後のチャンスだ。
60過ぎの方たちからは、男としての魅力に大きな差を感じることが多い。残酷なほどに顔に出るのは、50代の生き様が最終的に作り上げるからなのだろう。魅力的な顔の方を見る度に自分もこうなりたいと思う。そのためには1にも2にも常日頃をイキイキライフにすることに尽きる。全力で仕事をする。忙しくても愚痴らない。そしてたくさん笑う。わかっちゃいるが、忙し過ぎるとついつい気持ちが後ろ向きになって嫌な顔で過ごしているバカモノである。日頃よりのいい顔と悪い顔の足し引きで人相が完成するのだから、気持ちは大きい。先週末の〆切とレース取材の両立は前向きに突っ走れて、さらにうまいビールに微笑んだのだから、60歳のいい顔に向けてきっとプラスに作用したはずだ。
大いに生きよう。めいっぱいの力を込めよう。60歳を過ぎたいつか、きっとアクセルを緩める日が来る。その日までは出来るだけ開けていきたいし、きっとその気力をコントロール出来るのが50代だろうと思いたい。なんて大げさな気持ちになるのは、晴れやかな気分で呑んだ一昨日のビールのおかげだ。そしていい久しぶりの『いとしのレイラ』が、特上の時間にしてくれたおかげでもある。高校時代から30年位以上聴き込んでいるこのアルバムは、いつも新鮮な発見と響きで心に染み入ってくる。音楽を集中して聴く心もまだまだきっと成長するはずだ。イキイキライフでお互いに一瞬を大切にしていきましょう。そしていい顔の60歳を仕上げていこうぜ。
お疲れさんです。
サラリーマンにとっては仕上げの10年になるのかな?60定年ならだけど。
止まっていたくは無いよね、前に前にで行きたいが。
きったないジジイになってたりして(^_^;)
その前に生きてるかな?
60定年は激変していくでしょうね。それも含めて、この10年の勝負は大きいと思います。浅野さんのおっしゃるとおり、止まらないことですな。
それ前にまず生きることですね。僕も実はあまり自信がないですが(笑)。