昭和40年生まれの思想史研究者・田中康二が著した『本居宣長 文学と思想の巨人』が7月より発売されている。
本書は、本居宣長研究の第一人者である著者による評伝。本居宣長は江戸時代の国学者・文献学者・医師で、「国学の四大人(しうし)」の一人とされ「物のあはれを知る」説を唱えた存在だ。学問研究にその身を捧げ、30年以上の歳月を費やして『古事記伝』を著した国学の大成者は、一体何者だったのか。70年におよぶ生涯を丹念にたどりつつ、文学と思想の両分野に屹立する宣長学の全体像を描き出す。
田中は日本近世文学を専門とし、現在は神戸大学教授を務める。近世中期に発祥した国学を主たる研究対象とし、本居宣長や村田春海を媒介として国文学研究と思想史研究に分断した領域の統合を目指す。著書に『村田春海の研究』(汲古書院、2000年)、『本居宣長の思考法』(ぺりかん社、2005年)、『本居宣長の大東亜戦争』(ぺりかん社、2009年)、『江戸派の研究』(汲古書院、2010年)、『国学史再考―のぞきからくり本居宣長』(新典社、2012年)などがある。
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