『昭和40年男』の1月11日発売号の企画を考えていて、ふとあのカッチョいいシーンを思い出した。『ザ・ベストテン』に松山千春さんが『季節の中で』を引っさげて出演した時のことだ。「あーっ」と瞬間的にフラッシュバックしたタメ年たちは多いだろう。中1の秋のことだった。テレビの前にラジカセをセットしてその瞬間を待ったのが昨日のことのようだ。
1位となっての初出演は中継で、コンサート会場でたった1人千春さんがいた。歌う前に長いトークがあり、これも実にカッコよかった。コンサートでお客さんの前で歌いたい。カメラの前じゃ嫌だとかそんな内容で、出ないこと自体を謝りながらも、最初で最後だと宣言したのも印象的だった。そしてギター1本で歌い始めた。フリーテンポ部分を歌い始めてうっとりする僕。そしてその瞬間が来た。インテンポになる合図のSEのようなところを、ギターで「ポンっ」と叩いて表現したのだ。これは痺れた。なんちゅうカッチョいい男なんだと震えて、瞳をウルウルさせながら聴き入った僕だった。後にギターを弾き始めたのに、少なからず影響があったかもしれない。だとすれば、僕の人生を変えた「ポンっ」だった(笑)。
今さらながら日記を付けておけば、こんな感動のシーンの数々が鮮やかに蘇るのだろうが、残念ながらそんな習慣はなかった。唯一、中学生の時に女の子から申し込まれた交換日記なるものをつけたことがあった。この頃は女の子の方が全然上手で、僕なんかただのクソガキでとても気の効いたことが書けるはずはなく、くだらないことをあーでもないこーでもないと綴っていたっけ。今発掘されたら恥ずかしさでショック死してしまうだろう。そのぐらい稚拙な僕に対して、相手の女の子たちは時に強く内側にえぐり込むように言葉を打ち込んできた。ああ、精神年齢ギャップが憎い。
なんて甘酸っぱい日々までも思い出させてくれた『季節の中で』は、あらためていい曲だな。当時、ライブにこだわる姿勢だけでなく、あの声も際立っていて、奇跡的なものに感じていた。あの映像は残っているのだろうか。ぜひもう一度見たいものだ。
足寄という街が世に出たキッカケですね。
そうですね、彼の大きな功績でしょう。
「おっとー」「おっかー」ってご両親に感謝の言葉を言ったのを微かに記憶しております。
>あの映像は残っているのだろうか。ぜひもう一度見たいものだ。
YOU TUBE をご覧あれ! 松山千春 三十年前と三十年後の「季節の中で」
ありがとうございます。やっぱり記憶してますよね。