昭和40年生まれのドイツ映画研究者・渋谷哲也が、バッハ映画『アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記』の上映会で講演を行なう。
本作は、ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレという二人のフランス国籍の映画監督(ストローブ=ユイレ名義)による共同監督作品。バッハの楽曲を演奏する行為をストイックに映像化した作品として知られており、単なる演奏の記録ではなく、音楽家であり家庭人であるバッハの後半生を劇映画として再構成したものだ。10数年の構想を経て実現したストローブ=ユイレの原点となる野心作で、バロック期の大作曲家J・S・バッハの後半生を、演奏場面を中心に妻の視点から語るという作品。古楽器演奏の大家グスタフ・レオンハルトが大バッハに扮し、見事な演奏を披露している。
今回は、本作の上映と共にドイツ映画研究で知られる渋谷の講演会を開催し、なぜこの映画が妻の視点を必要としたのかを、読み解いていく。テーマは「バッハ映画:ストローブ=ユイレのファミリー・メロドラマ」だ。渋谷は東京国際大学にて准教授として「戦後ドイツのニューシネマとその社会的背景の考察」をテーマに研究を進める存在で、著書に『若松孝二反権力の肖像』(共著/作品社)『ファスビンダー』(共著編/現代思潮新社)などがある。
シリーズ企画:ストローブ=ユイレ作品上映+講演
第3回上映作品:『アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記』
日 時:11月1日(土)14:00~17:00(13:30開場)
(上映終了後休憩を挟み講演開始)
料 金:無料(要予約/定員60名)
会 場:エスパス・ビブリオ
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