大編集後記その七。ターニングポイントとなった87年のプロレス。

今日も最新号のPRとなる『大編集後記』をお届けする。しつこいのはへび年だから勘弁してくれっ。

S102-107

連載企画の『夢、あふれていた俺たちの時代』は昭和62年をピックアップした。景気がガンガン上向いてバブルがピークへと登り詰めている頃だ。だがそんな勢いとは逆に、俺たちに闘魂を叩き込んでくれたアントニオ猪木さんはこの年転げ落ちていった…。

小学生の頃から、プロレスは俺たちにとって大きな感心ごとで、学校では禁止令が出るほど技のかけ合いに夢中になっていた。成長とともに少しずつ心が離れた者がいれば、ますます夢中になっていった者もいるだろう。僕は前者で残念ながら昭和62年のプロレスシーンには明るくない。が、今回の6ページに綴られた男達が作り上げた数々のドラマは、当時感心がなかった僕も思わず唸った。

語ってくれたのは豪華な布陣で、藤波辰爾さんとマサ斎藤さんである。2人の重い証言とともに、この年に起こったプロレスシーンの事件を紐解いていく。さまざまな事件と、猪木さんの意識の変化によって視聴者を失っていき、ついにこの翌年、俺たちを小学生の頃から夢中にさせた新日本プロレスがゴールデンタイムから転落してゆく。

ご覧いただいているページの猪木さんの表情をみると、プロレスを超えてしまった狂気があるように感じる。ここから始まる6ページを象徴するカットだ。すでに心が離れていた僕は知るよしもなかったが、男達の意地やプライド、ビジネスが絡み合ってすさまじいドラマが繰り広げられたのだ。この暗黒の時代を、プロレス世代の俺たちとしては共有しておきたい。僕と同じように深く唸るがいい。さあ、今すぐ書店へGo!!

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で