昭和40年男にとっても永遠のヒーローであるウルトラマン。その歴代シリーズを彩ったヒロインたちが一同に顔を揃えたトークイベント「ウルトラヒロインと過ごすアフター6」が先日、現在開催中の夏休み恒例イベント「ウルトラマンフェスティバル2014」会場(東京・池袋サンシャインシティ)内で開催された。
初代『ウルトラマン』の科学特捜隊の紅一点、フジアキコ隊員役の桜井浩子、『ウルトラセブン』で友里アンヌ役を演じたひし美ゆり子、平成ウルトラマンシリーズ第1作となった『ウルトラマンティガ』で活躍したヤナセ・レナ隊員役の吉本多香美、そして現在テレビ東京系で放送中の『ウルトラマンギンガS』に出演中の現役ヒロイン、杉田アリサ隊員役の滝裕可里の4人が登場。撮影当時の懐かしい話やヒロインとしての心構えなど、通常のヒーローショーでもなかなか聞けない話も飛び出すなど、小さな子どもたちから昭和40年男の世代、さらにその上の世代まで興味津々で聞き入る濃いトークセッションとなった。
撮影当時のエピソードについて聞かれると、桜井が「オレンジの科特隊の制服は当時としては斬新でしたが、やはり街中での撮影は恥ずかしくて」と話すと、ひし美は「服のサイズがきつくて(胸のあたりを抑えて)この辺りをはさみで切っちゃったりしてたんですよ」と人知れず細かい工夫をこらして厳しい撮影をしのいだ話を披露するなど、撮影時の苦労話に花が咲いた。桜井、ひし美のプライベートの関係について向けられると、双方いがみ合う素振りももせながらも「一緒にイタリア旅行にも行ったでしょ」と仲むつまじさをアピールした。
一方、初代ウルトラマン・ハヤタ隊員役の黒部進を父に持つ吉本多香美は、隊員役をやるにあたって「遅刻はするな、セリフはちゃんと覚えろ」などの大先輩としての心構えを伝授されたと語ると、ハヤタ隊員とは同僚であるフジ隊員役の桜井が「えー?あの人が?」と意味深な疑問を投げかける場面も。また、客席で観覧していた一人息子から吉本にウルトラマンビクトリーのお面を手渡されるというサプライズも。ウルトラの魂が3代にわたって引き継がれている一端が見られた。
また、直前に番組の撮影がクランクアップしたという滝裕可里は現役ヒロインらしくレザー仕立ての隊員服姿で登場。撮影終了のお祝いに大先輩の桜井から花束が手渡されると思わず涙ぐむシーンも。「こうしてこの席にいさせていただくと、長く続いているウルトラマンの歴史を感じる」と、自らが果たした役割の重さを噛みしめる表情を見せた。
トークの最後には、4人が出演している各作品のブルーレイディスクの映像が上映された。11月に発売になる『ウルトラセブン』ブルーレイボックスの仕上がりにひし美は「DVDの時よりも絵がすごくナチュラルに感じました。本当にあの頃の『ウルトラセブン』を見ているみたいな」と好印象の感想を語った。
<編集部・足立謙二>
特撮とSFと鉄道を愛する自称昭和キュレーター。1年のギャップと闘う昭和41年男。