誌面連動企画の「3番勝負!」はサザンオールスターズ対決としている。中1の僕らにとってまさに衝撃的だった「勝手にシンドバッド」以来、ずっと一線で活躍してきた彼らの対決第3ラウンドはバラードだ。昭和40年男らしい決着をつけてくれ。
秀逸なメロディのバラードたちは、サザンの大きな魅力である。第2ラウンドの対決で取り上げたアルバムのなかにも「栞のテーマ」「素顔で踊らせて」「夏をあきらめて」「Oh! クラウディア」などなど名曲が並ぶ。秀逸なのはメロディだけでなく歌詞を含めた世界観で、僕らは深く酔った。女の子が気になって気になって仕方なく、毎日悶々としていた頃だ。男と女、夏、海などなど、高校生の時にアルバムでじっくりと聴き込んだ我々なんだから、やっぱり昭和40年男とサザンは切っても切れない関係だ。
サザンは「いとしのエリー」以降、シングルヒットが出なくなっていた時期がある。再びお茶の間を賑わしたのが1982年の「チャコの海岸物語」で、この曲はシングル向き過ぎるなと当時少々ガッカリした僕だった。だがこれ以降は、シングル・アルバムともに常にヒットを飛ばす存在となり、いいキッカケの曲となったのかもしれない。そしてこの秋にヒットしたのが「YAYA (あの時代を忘れない) 」だった。桑田さんにしては真面目な歌詞だとの印象を持ち、これが新鮮だった。互いにギターと始まる2コーラス目と、その後のソロから立ち上がって続くBメロの歌詞は、高2の僕にとって感情移入しやすい内容だった。サビにさり気なくフランス語をかませる辺りのセンスはさすがで、ホント桑田さんの仕事ってこうしたヒネリが素晴らしいと絶賛した僕だった。
そんな桑田さんにしては珍しく真面目 (!?) なバラードに対するは、これまたビックヒットとなった「メロディ」(’85年) だ。チェッカーズやCCBといった新興勢力と聖子・明菜ちゃんが全盛でそこに多くのアイドルが追随している騒がしいヒットチャートの中で、オリコン年間チャート43位の健闘ぶりはさすがだ。初めて聴いたときはAメロの “Cry on” のリピートが新鮮に感じ、サビ前で言葉を詰め込む辺りで唸り、スッコーンと伸びやかに展開するサビに三段感動させられた僕だ。“いい女には Forever 夏がまた来る” とは、一度聴いただけで覚えてしまう名フレーズである。桑田さんてやっぱり凄いんだなと、20歳になった僕は深く唸ったのだった。
さて、ヒット時期に少し間がある2曲だから、きっとみなさんのその時期体験していたことが票に出るのではないだろうか? さあ今すぐ、勝負を決めてくれっ!!
遅くなりました。
結論、YAYAで。
サザンの曲の中で大好きな曲「ミスブランニューデイ」と「海」でどちらとも順位が付けられないのですが。
YAYAと海に共通するのが、夏の海で思いっきり遊んで帰る道すがら車の中で聴きたいってことかなと。
楽しかった1日が終わる切ない感じがして。
夏が終わる感じもして、たまらなく切なくなるんですよ。
メロディーは終わる感があまりしないんですよね。
そうですね。サザンの曲は夏の終わりの切なさを強く感じさせますよね。それは大きな魅力ですな。