昭和60年に俺たちが目指したもの?

写真 2-2

『昭和40年男』をキッカケに知り合い、公私ともに世話になっているちょいと年上の兄貴から、このうれしいブツが届いた。添えられた手紙には「押し入れの奥より出てきました」とあり、ありがたいことに資料として活用してほしいとのことだ。昭和60年のものが4冊に、『夜遊びハンドブック』がそれより少し前の発行だ。懐かしいなとパラパラと読み進めると、女の子へと向かっていく男どものパワーがどれだけ有り余っていたのかと感心させられる。サーフ&スノーの全盛期であり、それらの情報が多く散りばめられているものの、結局誌面全体の落としどころは「女の子をゲットしろ、立てよ、いけよ男たち」である。展開されている驚愕の特集をご紹介しよう。

右上の女の子たちの写真が散りばめられた『ホットドッグ・プレス』の10/25号は「厳選美少女400人総登場! 元気がでるグループ交際の本」とのタイトルが踊っている。これが素晴らしい。特集冒頭のトビラページには、ナンパはすでに古くこれからはグループ交際だと宣言され、関東関西から70組の女の子がグループ名を名乗り、ほとんどがフルネームに年齢入りで、所属学校や職場までがオープンにされている。そして彼女たちからの熱いメッセージが結構なボリュームで掲載されているのだ。これを読みながら男たちは吟味に吟味を重ねて、グループを結成してメッセージと写真を添付して交際を申し込んだのだろう。編集部が責任を持って届けてくれるとの触れこみで、当時の雑誌と男どものパワーを考えると相当な数の投稿があったことだろう。

もうひとつ右下の『ポバイ』もスゴイ。タイトル「女のコがつくるポパイ  この1冊でキミたちデートの天才よ!」とは、ナイスなキャッチコピーだ。そして特集の冒頭を飾るトビラページでは驚愕のオチがついている。「男のコたちってつまらない。だってマジなんだもん。」と来たよ。スゴイ、スゴすぎるぜ『ポパイ』。俺たちのアイドル、オールナイターズの山崎美貴ちゃんがアドバイザーになって、BMWかアウディに乗った王子様がいいとか言っちゃっている。ページをめくっていくとユーミンの詞の世界に学べとか、プレゼントは何がいいとか、あの手この手のアドバイスを受けることができる。結び近くなると「初めての旅は、?パーセントの決心!」なんてドキドキするタイトルが踊っているじゃないの。これきっと売れただろうな。

たちが20歳になる年に発行されたこれらによって、野獣となり、そして種馬となって突進したタメ年たちだったのだろう。今の書店を眺めると、この類いのパワーは女性誌のものになってしまった。時代の変化ですなあ。
 

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4件のコメント

  1. こないだ押入れから未製作の「ソアラ」のプラモが出てきました。
    おそらく同じ昭和60年くらいのです。
    もしかしたら「ホットドッグ・プレス」が私の押入れにもまだ・・・。

    • うらやましい。僕の私物は通称、ポイポイ星人の母親によってほとんどが処分されてしまいました。オモシロイものを発掘したらぜひ投稿ください。

  2. ネットも何もない時代に、この雑誌からの影響力ってハンパなかった。
    イマドキの情報過多でホンモノを見抜く目を養えないというか、ニセモノも含めあり過ぎて混乱した時代というか、なんだかさみしさを感じる。
    この雑誌で踊っていた時代が何だか幸せだったなぁと感じる。
    情報もモノもあり過ぎるのは良くないのよ、やっぱ。
    足るを知る、これ気に入っている座右の銘。

    • 影響力のある雑誌をつからないとイカンですな。雑誌で踊っていた僕らの責務だともっともっと努力を積みたいと思います。

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