ボストン来日公演に行くか、行くまいか?

ドント・ルック・バックつい先日、TOTOが来日しているなんて書いたその直後に、JRの駅にデカデカと張り出された看板でボストンの来日公演を知った。現在発売中で、東京は武道館じゃないか。うーむ、どうしようか?

昭和40年男にとってボストンと言えば、なんてったって『ドント・ルック・バック』でしょう。デビューアルバムの『幻想飛行』は、小学校5年生の時だったから僕はまだ洋楽には目覚めておらず、キャンディーズに夢中になっていた頃だ。セカンドアルバムとなった『ドント・ルック・バック』が、中1の夏リリースで、ちょうどヒットした前後くらいに洋楽に興味を持ち始めたから、当時をよく覚えている。『ドント・ルック・バック』のシングルヒットの後に同アルバムからカットされたバラード『遥かなる想い』が大好きだった。ちなみにアルバム『ドント・ルック・バック』には『新惑星着陸』なる邦題がついていて、ファースト同様にジャケットにピッタリのタイトルだ。僕はこの頃の邦題文化が大好きで、よくぞいろいろ考えたなと感心させられる。ダサイと切り捨てる人が多いが、当時のレーベルの担当者たちの洋楽への熱い想いが、こうしたタイトルにあふれ出ているじゃないか。

ギターのトム・ショルツによる多重録音が、ボストンワールドの肝であることは誰もが認めるところで、当時としては画期的だった。多重録音の代表格であるクイーンのブライアン・メイが、ちょっと飽きてしまい(!?)、シンプルでヘビーなギタープレイを前面に出すようになっていた頃で、まるで僕が引き継ぎますとの宣言のような多重っぷりだった。とくにタイトルチューンの『ドント・ルック・バック』は素晴らしい。サビのメロディにカウンターでぶつけたギターによるメロディワークは、曲後半に実はカウンターではなく主旋律だったのだと思わされるほどに、ドラマチックかつ壮大な展開を見せる。やはりトム・ショルツは圧倒的な主役なのだ。ヘッジフォンをつけてでっかい音で聴くと、今でもうっとりしてしまう。

あれだけ緻密なサウンドなのに、アメリカの土っぽさを随所に感じさせるのもいい。もしもドゥービー・ブラザースにブライアン・メイが参加したら、同じようなアルバムが作れたかもしれない。クイーンでは多重録音に飽きちゃったけど、ドゥービーのサウンドのお手伝いだったらいいんじゃないのってノリノリで弾きまくる。そういえば『39』なんてカントリーテイストあふれる曲を書いているし、あながち…(笑)。

話が完全に脱線してしまった。ボストンの初来日の写真を、当時は発売日に書店に駆け込んで購入し、隅々まで読み込んでいた音楽誌『ミュージックライフ』で何度も眺めた。トムってレスポールが小さく見えるくらい背が高くて、ジミー・ペイジと同じくらい似合う人だなと憧れた。商業ロックの仲間みたいに称されるけれど、TOTO同様に音楽的にものすごく優れた人たちだと今も思う。ただ、名曲『ドント・ルック・バック』を多重録音なしのライブで聴いて、ガッカリさせられるのではないかとの不安もあって、チケット購入を決めかねているところだ。みなさんはどうされますか?

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10件のコメント

  1. 前回は高校生だったので、小使いも少なく、ライブ行けませんでしたが、今回は、大阪公演にいきます。まさか、生きているうちに、ボストンが生で見られるなんて、思ってもいませんでした。

    • 前回の来日記事が掲載された『ミュージックライフ』をいまだ大事にしています。が、今回は見送った僕でした。
      めいっぱい楽しんできてください。

  2. 名古屋公演行きます。
    ステージパフォーマンス・再現性。。。。気にしません!
    生でトムの音が聴けるなんて夢のようです。

    「ドント・ルック・バック」のイントロで。。。。涙しそうです!

    • そうですか、うらやましい。
      ぜひレポートをお聞かせください。

  3. 有給取って全部観にゆきます。トムも高齢だし、今回が最後の最後だろうしなああ。

    • 全部ですか。前に来たのが79年ですよね。雑誌『ミュージックライフ』でステージレポートの写真を見て震えました。まだチケットは若干あるとのこと。やっぱり行こうかな…。

  4. まずは自分の耳で検証じゃないでしょうか!

    それに今回を逃したらもう・・・

  5. BOSTON東京2Days参加します。

    当初9日だけのつもりが待ちきれなくて2日の公演も買ってしまいました(笑)
    興味はやはりあのサウンドの再現性ですね。

    編集長様もぜひ!

    • おお、そうですか。そうなんですよ、再現性に少々不安を抱いてましてまだウジウジしている僕です。どうしよう…。

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