しつこく最新号の紹介をさせていただいている、大編集後記を今宵もあなたに(笑)。今号より連載企画『怪獣怪人 温故知新』をスタートさせた。タイトルで想像がつくだろうこのページは、ヒーローの前に立ちはだかった怪獣怪人で綴っていく。そしてこの連載の記念すべきファーストキャラクターが「ボッファッファッファ」との不気味な笑いで、昭和40年男たちにとって強烈な存在感を誇ったバルタン星人だ。
俺たちにとって『ウルトラマン』は、放送開始が1歳でリアルタイムの存在ではないものの、それが気にならないほど親近感を持っているのは、再放送を何度も繰り返してくれたから。一方リアルタイムで目撃した『仮面ライダー』と、僕にとっては2大ヒーローで、これを頂点にしていろんなヒーローを比較しながら楽しんだものだ。双方ともに初めて放送されたものに愛着を感じてしまうのだが、みなさんはどうだろうか?
今回あらためてバルタン星人について詳細が語られていて、記憶を呼び起こせたりそうでなかったり、いやはやあれだけ何度も繰り返し見たのに関わらず、ダメな記憶力である。その詳細は本文を楽しんでいただくとして、『ウルトラマン』てのは当時は自分たち子供向けコンテンツと思っていたのが恥ずかしいほど、緻密なバックボーンがあったのだなと感心させられる。特撮技術の創出も含めて、当時の現場の熱量の賜物である。
次々と展開されたアイデアはパクリなんかなく、ほとんどが新規のものだったのではないか。僕がロックに熱くなっていた80年代前半のビックネームのミュージシャンが、過去のもののリミックスから自分たちの音楽を生み出す時代なんだと語っているのに深く頷いたことがある。確かに斬新な、それまでにまったくないタイプの音楽ってのは、後追いながら70年代の初期までのものに感じることが多かったから、この言葉は当時強く突き刺さった。『ウルトラマン』は、ロックミュージックで言えばジミ・ヘンドリックスくらい革新性と斬新なアイデアにあふれていたと、このページを読んでそんなことを考えた僕だ。みなさんもぜひ、当時の緻密なアイデアに今一度うなっていただきたい。4ページでお届けする必読のページになっているぞ!!