少し以前のこと、宮崎 駿 監督作品の『風立ちぬ』に、日本禁煙学会が噛み付いたのがチョットした騒ぎになった。戦争はやってはいけないと言っているのに、体に悪いタバコを吸っていることが矛盾しているとか、見た子供たちがタバコに手を出すとか、なんとも低レベルに感じる内容だった。だがこの手のクレームは近年格段に増えていて、力も増す一方である。僕らが昭和40年男の成長期は、おおらかなといえば聞こえはいいが、世の中が沸点へと向かって突っ走っているから細かいことには目をつぶったいい加減な時代だった。だからタメ年連中には、昨今のクレーム社会に嫌悪感を持っている者が多く、同年代との酒の席でこの話題を持ち出すとほぼ同意を得られる。
村上春樹さんのタバコのポイ捨ての件や、チューハイのCMにカエルが起用されて問題になったりと、なんだか情けなってくるが、春樹さんについては単行本になる時には町名を変え、CMはすぐに放送自粛に踏み切ったのだから、クレームの力は無視できないのが実情である。
つい最近は、TBSのこの春のドラマ『MOZU』の主演の西島秀俊さんがタバコを吸うシーンが多すぎるとかそんな話にふれた。またそれかよとの気分である一方、すごくカッコいいとの噂を聞き、僕としては一度ドラマを見たいと思っている。僕も吸っていた時は無理にカッコつけていたもの。幸い、今のところはクレーマーの登場とまではなっていないようだが、いつ日本禁煙学会が噛み付くかもしれんからご用心を。
僕らが10代の頃、酒・タバコは高校生になったらあたり前だとでも言いたげな、大好きなマンガがあった。ここでも紹介したことがあるバンドモノの傑作『気分はグルービー』である。このバンドの5人メンバーたちはみんな高校生で、昭和59年に高校を卒業してそれぞれの人生を歩んでいくというもので、まさしく昭和40年生まれだ。ただ、5人の内2人はダブっていて1つ上になるが、未成年には変わりない。この5人が全員タバコスパスパで、酒はガンガンカッくらい、セックスだってバリバリこなす。しかも掲載誌が『少年チャンピオン』なのだからスゴイ。こんなマンガ、現代ではクレームの嵐どころか、そもそもリリースされないかもしれない。俺たちの時代の恩恵はデカイのだ。
以前、『昭和40年男』で加藤 茶さんにインタビューしたとき、『8時だョ! 全員集合』へのクレームに対してこんな話をしてくれた。
「物を大事にしないとか、下品であるとか、毎週毎週苦情が来るんですよ」と。PTAによるそんな騒ぎの記憶は、きっとみなさんもあるだろう。それがどのくらい届いているのかスタッフにたずねると、200人ぐらいだとのこと。ならば喜んでくれている人たちは何百万人いるのかと聞くと、勘定できないと答えられ「だったらその200人は切り捨てちゃえばいい。嫌われたら嫌われたでいい。俺たちはそういう気持ちでこの番組を始めたんだから、と無視することにキメたんです」と、話してくれた。昨今、加藤さんのような発信者が激減しているのは否めない。
『MOZU』のタバコへの風当たりはくだらないなんて思いながら、こんなことをグチャグチャと考えていたのだが、僕はふと気付いてしまったのだ。先日ここに友人の死について書いた際に、この世を去る直前にヤツに向けて作った曲の歌詞を掲載した。ロックで食っていきたいとする僕とヤツの10代を振り返る内容で、18歳までにはメジャーでやろうなんて意味の言葉を綴っているのだから、僕とヤツは16歳くらいの設定ということになる。なんとこの詞の始まりで2人は缶ビールを呑んでるじゃないの。この曲でレコード大賞を取ろうと思っていたのに、クレームで消されてしまうかもしれない(笑)。
愛煙家への風あたりが強いのがむかつくとっかマジで気持ち悪いな。
さすがは、日本最弱の能無し昭和40年生まれだわwwww
競馬の発祥地イギリスを含め欧州では、レースで馬をムチで叩く回数が制限されています。オーバーすると、動物愛護団体からクレームがくるのです。おかしな話です。じゃあ競馬やるなって感じです。