誌面連動企画の『3番勝負!』にはご参加いただけただろうか? 今回の対決は日本のテクノポップから3発だ。
70年代の後半は国内外の音楽シーンが激変期を迎えた。80年代の頭まで続くこの時代を、心の成長期である10代のど真ん中で感じることができた昭和40年男はつくづく幸せな世代だと言える。次々と新しいタイプの音楽が生まれては、その名称が決まっていく。新鮮な響きだったテクノポップもその1つで、まさに一世を風靡したのはご周知のとおり。誰も彼もがピコピコサウンドに未来を感じた。洋楽シーンではクラフトワークやディーヴォ、Mなんて連中もおもしろく、それぞれ高いセールスを記録していた。日本でもシンセサイザーを大胆に使いはじめていて、そのトップランナーがイエロー・マジック・オーケストラである。『テクノポリス』や『ライディーン』などは、当時まだ中2だった僕らに親しみやすくありながらも、先進性を強く感じさせてくれ、チョッピリ音楽通な気分にさせてくれた。
多くの昭和40年男が親しんだのが、今回の対決となった2枚だろう。上記のヒット曲を含み、ジャケットも斬新な『ソリッド・ステイト・サヴァイバー』は、なんとオリコンの1位にまで輝いた。これは大げさな話じゃなく、日本音楽史上極めて重要な現象といっていいだろう。インストナンバーが多くを占め、革新的なサウンドで埋め尽くされたアルバムで、それまでのシーンから10年分くらい先をいっていた音楽がトップに立ったのだから。これはそのまま、日本のリスナーのレベルを一気に押し上げた瞬間だった。
一方の『増殖』は、『ソリッド・ステイト・サヴァイバー』の後にライブアルバムを挟んでリリースされ、これまた大きな話題を呼んだ。楽曲のクオリティもさることながら「スネークマンショー」が録音された画期的なものだった。YMOのインテリジェンスな悪ノリが炸裂したアルバムで、昭和40年男にとっては彼らとの距離がグーンと縮まったアルバムではなかろうか。レコード盤がクラスメイトの間を行き来しては話題になり、「スネークマンショー」のサブカルチャーの香りがプンプンする笑いの世界とサウンドが相まった、最先端の表現世界をクラス中で共有した俺たち昭和40年男だ。さあ甲乙つけ難い2枚に決着をつけてくれっ!!
増殖って10インチLPでしたよね?(25cm)
当時、なんか損をした感じがしました。30センチだったら、もう2曲ぐらい入るんじゃないかと。。(笑