東京大田区のヤバイ街(!?)、蒲田にある大好きなラーメン屋「味の横綱」に久しぶりに行ってきた。
カウンターだけがビローンと長く10席以上並んでいて
そのカウンター越しにご主人とおそらくその奥さん、
もう1人女性(娘さん?)という不滅の固定メンバーがテキパキと働いている。
ご主人は職人気質がバシバシに出ていて、手さばきがカッコイイ。
俺たち世代だったら想像が付くだろう、子どものころ行ったラーメン屋さんそのまんまの店だ。
昼前なのに店内はすでに混み合っていて、いつものことながらよくお客さんが入っている。
「醤油らーめん、大盛りで。あと半チャンもつけてください」
「はいよーっ」
出てきた出てきた、東京下町では定番のあの味ですよ。
わかりますかね?
スープは少ししょっぱくて、細い麺との相性もバッチリだ。
とにかくね、しつこいですがあの味なんですよ。
食べ進めながら満席になった店内を見てあることに気が付いた。
たぶんここのお客さん全員年上だ。
中華という重さからか、50歳前半位でとまっているようにも見える。
つまり45歳の俺から55歳くらいのベルトでのコミュニティができ上がっているのだ。
うーん、これってすごいことだなあ。
今どきの若者にとってのラーメンは、きっとこれではないのだろう。
「見た目よりも意外とさっぱりしてますね」
テレビとかでよく聞くこの訳のわからんコメントに代表されるような
足し算を重ねた複雑な味の店が主流なのだろう。
そうしたところに若者が行列を作っているのをよく見かける。
お歳を召した方は少数派だものね。
ここはまったくの逆で、若者は少数派どころか一人もいない。
昔ながらのあっさり醤油味に群がる世代コミュニティといっていいだろう。
よく考えればこんな風に自然とでき上がってしまう属性って数多くあるよね。
なんども通っていたが、初めて気が付いて笑ってしまった。
あっ、俺はそんな本を作っているんだ(笑)。
そんなことに感心しながら「あーっ、うまかった」と
満足の会計を済まして待っていたお客さんを見ると、やはりしっかりと絞り込まれていたよ。
今度来るときは見本誌を持ってこよう。
置いてもらえばきっといい宣伝になるものね。