以前に『昭和40年男』をお褒めいただき、それ以来チェックするようになった『週刊朝日』だ。チェックというと、さも業界人ぽく感じられるが、要するに立ち読みで、パラパラと見て購入するかを吟味する。そして今回、思わず購入したのは羽生くんが見事に金メダルを獲得した記事が読みたくてついつい手が出た…、というのはちょいと違う。『来日間近のローリング・ストーンズを語り尽くす』との企画を見つけたからだ。そう、もういくつ寝ると来日公演だ。僕の周囲にもチケットをゲットした者が多い。おもしろいところでは、高校時代のバンドのマネージャーさんから、遠く北陸から駆けつけるとのメールをいただいた。会社の若いスタッフはお母さんに誘われたとか。聞けばその母さんは昭和39年女とのことで、ベテランバンドらしいエピソードである。全部で3公演あるから約15万人を集めるとして、このなかに昭和40年男は相当な数になることだろう。見かけたら声をかけてくださいね。
話を戻して、僕に『週刊朝日』の購入を決定させたページである。4人の座談会になっていて、そのメンツにやられてしまった。まず1人が、RCサクセションを撮り続け、90年から日本人初となるストーンズのオフィシャルカメラマンを務めた有賀さんが参加しているのだ。これにググッとそそられ、世良公則さんの登場もいい。そしてなんといっても、日本で一番カッチョイイ夫婦、シーナ&ザロケッツのシーナさんと鮎川さんが出ているのだ。ストーンズを語る日本人としては、この夫婦がもっとも適任だろう。加えて言うならチャボさんかな。かつて『昭和40年男』のインタビューで、チャボさんの取材をさせていただいたとき、自分が10代の頃のビートルズなんてまだまだメジャーな存在じゃなかった。ましてやヤード・バーズやストーンズを聴いていたのは、当時の日本で俺と鮎川誠くらいだったはずだとの、素晴らしいジョークを放ってくれた。2人のベースには共通する部分が多いだろう。まだまだロック後進国にありながら、欧米のロックの進化をリアルタイムに感じ取り、そのエッセンスを吸収しながら自分の音楽を作っていったことは、強い絆になっているのではないだろうか。そんな2人にとって、ストーンズの存在はあまりにも大きいのは容易に理解できる。
鮎川さんにとって始めて聴いたストーンズのナンバーは『ノット・フェイド・アウェイ』だそうで、なんともうらやましい気がする。シーナさんは中2のときに出会った『サティスファクション』のイントロが忘れられなかったとコメントしていて、さらにシーナさんは、ビートルズが「ハロー」で、ストーンズは「カモン」と言っているような感じに受け止めたと語っている。フムフムなるほどと頷く、さすがのコメントだ。ページ全編に渡って、2人とストーンズとの付き合いや解釈にセンスの良さがにじみ出ている。6ページに渡って掲載された言葉の数々は、ストーンズを通したロック魂が炸裂していて、僕の中にあるロックな気持ちをおおいに刺激されたのだった。さらに、巻末グラビアに有賀さんによる3人のショットが掲載されていて、これまたカッチョイイぞ。
僕が行く予定にしているのは3月6日の最終日で、指折り数えている今日だ。こうした記事を読んでは、気分を盛り上げている。以前ここで書いた僕のストーンズベスト5のうち、何曲が聞けるだろうか。ミック・テイラーがゲストで来る予定で『ミッド・ナイト・ランブラー』はまず間違いなく演奏されるだろう。希望としてはオープニングで『ストリート・ファイティング・マン』をやって欲しい。気絶するかもしれないが(笑)。