昨日は今年2度目となる関西出張だった。始めてこの地を訪れたのは20歳の正月で、ズバリ『青春18切符』を使っての彼女との旅行だった。今から30年ほど前ということになる。鉄道旅行好きならご存知だろう、東京発大垣行きの夜行列車から乗り換えて、たどり着いた駅が明石だった。次の列車まで時間があるのと、目的地とした岡山県の倉敷ももうすぐそこということで、知らない街をぶらついてみようと途中下車したのだった。
瀬戸内海を目の前にした土地柄、新鮮な魚が豊富だ。あの日商店街をぶらついてビックリしたのは、まだ生きている魚がはねながら多く並んでいたこと。タコも生きたまま売っていて、ニョロニョロとなんともグロテスクだった。たまご焼きと呼ばれるたこ焼きのうまさに驚愕させられ、それまで食べていたたこ焼きとはまったく別の食べ物に感じた。これまたご存知の方も多いだろうが、たまごでフワフワの生地に大きなタコが入っていて出汁につけていただく、茶碗蒸しのような高級感のある味だ。店の雰囲気は庶民にとってのたこ焼き店のままにやれた店が多く、その味とのギャップが楽しい。出汁で食べるのに飽きてきたら、テーブルに用意されているソースに青のり、鰹節で変化をつける。出汁は何度でもおかわりできてサービス満点である。先日も食べに行ったら一人前が20個で500円だった。大満足できたのは30年前とまったく変わらない。
バイク関連の仕事をするようになり、カワサキの本社があることから仕事で初めてこの地を訪れたのは1994年の春だから、今からちょうど20年前になる。その後『カワサキバイクマガジン』なる、世にも珍しい雑誌を企画して世に放なったのが1996年で、それからは頻繁に来ている。
そして昨日は生まれて初めて、生きたタコ刺しを食べた。若かりし日に魚屋で見た衝撃が蘇り、ついつい人生のことを振り返ったりして、なんだか大盛り上がりしてしまった僕だ。20歳の僕は将来この地に多くの友と呼べる程のカワサキマン&レディたちと知り合えて、来るたびに大笑いしながら夜を過ごすなんて思いもしなかった。そして、タコの足を生で食うことになるとは、明石のタコ文化の深さをまたひとつ見られた。いやはや、人生って不思議なものですね(愛燦々 by ひばりさん)。
関西に来てらっしゃたんなら十三でもご案内しましたのに…..
十三、いいですねえ。次回の出張時はぜひお願いします。ありがとうございます。