今年1発目の『昭和40年男』が、本日より全国(一部地域は申し訳ない)書店・コンビニに並んだ。今回は創刊以来初めてとなる音楽特集で臨んでいる。しかもシティポップという、一般的にはなんとも微妙なところと捉えられかねないジャンルをついたのは、このブームがとても短い期間のもので、かつ僕らの背伸び時代とシンクロすると考えたからだ。
大人の階段を登った先には、シティポップが描いたような世界があると信じたバカな俺たちだ。ブームの当時、昭和40年男はハイティーンだった。まだクルマの免許さえ持っていないのに、助手席に彼女を乗せて夜の都会を走り抜ける自分を妄想した。はたまた、南の島で小麦色の肌にビキニ姿の彼女と戯れる自分…。リゾートホテルのプールサイドには白いパラソルが立っていて、ブルーハワイにささった2本のストローに2人で顔を寄せるのだ。キャー、恥ずかしい。今考えるとなんちゅうシチュエーションだと思うが、当時は信じていた。後にバブルを迎えたとき、目指すべきイメージの骨格を成しているのは間違いない。90年初頭の六本木は、この80年代後半に書かれたシティポップな男女であふれていた。
実を言うと、僕はシティポップを真剣に聞いてこなかったから、後に六本木で浮いていたのだ(笑)。そんな僕が作っている雑誌が、まさかシティポップを特集することになろうとは、人生ってヤツはホントに不思議なものである。ただ、当時嫌いだったかというとそんなことはまったくなく、自分にとって新しいエッセンスと感じた日もあった。おそらく今回の特集に「俺には関係ない」と考える諸氏もいることと思う。が、だまされたと思って書店で立ち読みしてみてほしい。当時の社会や掲載と強く連動していたことが読み取れるし、好き嫌いを超えて耳に届いていた曲が実に多かったことを思い起こすことができる。その当事者たちからは、そうした我々の琴線に触れる興味深い話が多く聞かれるし、昨日もここでお伝えしたとおり、数多くあるインタビューの冒頭が鈴木 茂さんなのが全体をピリッと引き締めてくれているのだ。
立ち読みしてみて、やっぱり「俺には関係ない」と思ってもちょいと待った。後半の特集『夢、あふれていた俺たちの時代』の充実ぶりは見逃してほしくない。総力特集と呼べる双璧が、きっとあなたを満足させるはずだ。まだの方は今すぐ、書店へとGo!!
しまった、忘れてた~!!!
でも、今日は本屋に行ったのに・・・表紙的には、目にすれば絶対に気が付くと思うので置かれてる場所が不利だったんだろうか。さりげなく表に出さねばな。