ご周知のとおり、猪瀬さんが辞任を表明した。次々と問題が出てくるのは身から出た錆なわけで、会見で述べたとおり認識の甘さ以外の何ものでもない。こうなってしまったのだから辞任そのものは仕方ないが、私見を述べれば大変残念である。そしてまったくの余談ながら、このタイミングで新書が発売になるってのは苦しい話だ。同じ出版に携わる端くれとして、心中お察しする。
前知事石原さんの仕事は問題点は多かったものの、全体の足し引きで見れば良好だったと、東京人として僕は評価している。猪瀬さんはその仕事ぶりを継承しながら、さらに改善の意欲があふれていて、期待するところが大きかった。ここのところは五輪の招致活動に力点が行っていたが、都を発展に導くための数々の政策は頷けるものが多く、たとえば都営交通への取り組みなどは今後をおおいに楽しみにしていた。さらには、五輪開催までの経済的な特需がのぞめるわけで、招致決定に奔走した本人によって、東京都を世界に誇る都市へともう一段も二段も昇華させてほしかった。年齢的にはキツイと思うが、二期続けて責任を持って発展に尽力してもらうことに期待を寄せていた僕だから、くどいようだが今回の不祥事は残念でならない。
次の候補者として、すでに多くの名前がマスコミによって挙がっていて、管さんとか小泉さんなんて噂する文章も見かけたが一体どうなることやら。いくら五輪が決まったからといっても、無策で経済発展するわけじゃもちろんなく、都知事の力によるところは大きい。明日を左右する責任重大なことは、石原さんの前の青島さん時代に都民は嫌っていうほど経験させられた。同じ失敗のないように、都民は真剣に1票を投じたい。日本全体の将来にとっても東京の影響は大きく、しかも大増税時代の幕開けとなる2014年だから非常に重要な局面での選挙だ。経済感覚に優れた方に舵取りしていただき、どうか東京都をいい方へと導いていただきたい。そしてできれば、猪瀬さんに期待したように、五輪開催までじっくりと腹を据えた仕事をしてもらえる、二期連続で責務をまっとうできる人物を選出したいものである。我々の1票に失敗が無いように、動向を注視していこうじゃないか。