今日の暦を見ると、なんだか胸がザワザワするよね。
いまだにあの小学生時代が鮮やかにフラッシュバックしてくるからだ。
山のように積まれた手付かずの宿題を前に、母親からの叱責の声が雨あられと降り続く。
輝きを放った7月20日の午後へと気持ちが逃げようとする。
と同時に、なぜ早い段階でもっとがんばらなかったのだと後悔したりしてみる。
とにかくいろいろな想いが交錯しながら7月20日へといったん飛んでいき、
現実へと少しずつ戻していく。
来年こそは7月中に宿題をすべてかたずけるという、
そんなもんが実現するはずなどずぇーったいにないのに、
この時だけは決意を強く固めるのだった。
そんな状況下でも夏の少年はとことんバカだ。
明日があるさと親の目を盗み出かけると、
同じような思考回路の猛者たちがいつもの場所に集結していて、
互いの進捗状況を確認しあい、傷を舐め合うように刹那な快楽を共有するのだ。
翌日は確実に遊べないという意味で、8月30日は実質的な夏休みの最終日となる。
めいっぱい遊び家に戻れば、鬼の形相になった母親が「手伝わないからね」とお決まりのセリフで迎え、
夕食の食卓に会話はなく逃げ出したくなる空気が漂い、
さっさと食事を終わらせて一応机へと向かうのだった。
というのが毎年繰り返された今日、8月30日であり、
ハイライトを迎える明日、8月31日は1年でもっとも嫌いな日として
今日よりもっとザワザワしたものを連れてくる。
っていうか、今も一緒じゃねーか。
あれもこれもと山のように積まれた〆切への作業と、
自分が担当するページの原稿書きもまだまだたっぷりと残っている。
8月31日は、45歳になってもあの頃と同じように地獄を連れてくるのだ。
しかも本日8月30日は浅草秘密基地に行っちゃって多いに楽しんでしまうわけだから、
あの夏の日に缶蹴りに興じた自分とまったく同じ状態なのである。
進歩のない自分にもうイヤになるほど呆れかえっている、やれやれ。
しかし、宣言したとおりこのまま進めば間違いなく最高傑作である。
それが俺を、そして同じように闘っている同士たちを突き動かしてくれるエネルギー源である。
もうちょっと、ギリギリの自分を引き出してやろうと思う。
最高に美味いビールを呑む日まで、後数日だ。