『BECK』と並び、バンド系マンガの最高峰作品だ。最終話へともっていくのに、チョクチョク見る夢を使っている辺りは、もしかしたら『BECK』のモチーフになっているのではないかともとれる。夕べ久しぶりに実家に帰り、この最終巻を持ち出してきたのだ。
「ピテカントロプス・エレクトス」というセンスのよいバンド名の5人組の活動を描いたもので、高校2年生から卒業するまでの人生でもっとも甘酸っぱい時期のドラマだ。今だったら問題になってしまうだろうか。コイツら高校生のくせにタバコはあたり前のように全員スパスパで、酒もガンガン呑む。コンテストの決勝で緊張をほぐすために控え室で日本酒をカッ喰らったり、1人でカウンターに座ってマスターから「ギムレットでもどうだい」なんて言われていたり、カッコいい場面がしばしばある。かと思えば、場末の居酒屋で1人カウンターで酔っぱらって、隣のおじさんに愚痴ってるなんてシーンもあるのだ。
チャンピオンでの連載をキチンとチェックしておけば、さぞ感動は大きかっただろう。というのも、このバンドの5人のメンバーのうち3人が昭和40年男なのだ。そして物語は、僕らが高校を卒業した年の4月に最終話を迎えた。そこに至るまで、この作品では年代を出していないと記憶しているが、最後の最後に1984年4月と記される。そしてタメ年男3人のうちの2人が、音楽で飯を食うことを決意して旅立つシーンで終わる。残りの3人のうち、大学生活をスタートさせる者が2人と、素晴らしいことに1人はソープ嬢のヒモ人生をスタートさせるのだ(笑)。
僕らとタメ年たちのハイティーン時代を描いた傑作なのだが、バンドもののせいかタメ年男たちの認知度はイマイチ低い気がする。これほどのフィット感は先の『あまちゃん』レベルなのにもったいないったらありゃしない。
僕にとってこの作品への思い入れがもうひとつ強いのは、ギタリストが当時のうちのバンドのコピーのごとく、そっくりなのだ。絶対どこかで目撃されたはずだとの瓜二つぶりは、周囲も認めるところだった。この表紙にある、最前列の小さなサングラス男の後ろに立つ汚いひげ面がそうで、タバコと酒が手離せないのも、寡黙なキャラクターなのも、ギターに明け暮れる感じもまたそっくりなのだ。プロになろうと決心するのもまた然り。もうずいぶん前に死んでしまったから、この作品で元気にギターを弾いている姿はうれしくなってくる。
当時の昭和40年男たちのリアルな生態描写(!?)がうれしい1冊だ。全巻持っていたはずなのだが、今の実家の本棚には揃っていなかった。悲しいことにお袋が処理してしまったのだろう。どうか復刻してくれませんかねえ、秋田書店さん!!
「ナンパしてくる大学生が、自己紹介する時、名前の前に、通っている大学名や学部とか必ず言うのよ。あれで女の子がなびくと思っているのかしら?」みたいなセリフを女の子が言うんだけど、田舎の若者には痺れたなぁ。
「気分はグルービー」は狩撫麻礼と谷口ジローの「LIVE! オデッセイ」と並び
音楽漫画の金字塔でしょう。
その後登場する「TO-Y」とか「BECK」のほうが、商業的な成功を
収めたんでしょうけどね。
今では考えられない時代、今は 自由とか、 個性とか、理屈ありき…
昭和を知る拙者としては、実行ありき… 未成年が 煙草 酒 エエことではないでしょうが、今 令和よりも居場所があったと思います。#チャンピオン ってそんな連載が
私の救いでした。小山田 先生の作品にも勇気をもらいました!
実家に全巻残ってる。
こういう、日常から2~3上のありそうで出来ない
でもやってみたい話は大好き。
今ではこういうのは連載できないですよね。
(当時の)トルコ嬢のヒモになるとか
トルコ嬢のヒモ、男の憧れですよね(笑)。
あぁ懐かしい、、、昭和44年生まれです
まったく音楽センスもなく自分でバンドやろうとは1ミリも考えなかったけど、ピテカンは憧れでした。この漫画で覚えた唯一のカクテル、ギムレット。とにかく高校生か!と思うくらいカッコよくて、、、面白くて、、、いま考えると良い時代だなぁ共感出来る方々がいて嬉しいです。
いまさらLIVE通いしてるけど…原点はこのマンガです。
ヒサコに恋した子供の頃
めっちゃいいマンガでした!
佐藤先生の作品をもっと読みたい!
佐藤先生の他の作品を読んだことがないです。
ささかまは笑った。
多分全巻ありまっせ~(笑)
個人的にケンジの父ちゃんが大好きです~(笑)