昭和40年生まれの作家・早川いくをの新刊『ウツ妻さん』(亜紀書房)が発売された。
早川は多摩美術大学ギフィックデザイン科を卒業後、広告制作会社、出版社勤務を経て独立。2004年に出版した、実在の生き物だが奇想天外な生き物を集めた『へんないきもの』がベストセラーとなり、翌年『またまたへんないきもの』も人気を集め本格的に作家活動へ入った。近著に『取るに足らない事件』(バジリコ)、『へんないきもの三千里』(バジリコ)、『カッコいいほとけ』(幻冬舎)などがある。
その早川の新刊『ウツ妻さん』は、早川の奥さんが鬱病になり、奥さんを支えてきた3年間を綴っている。家事と仕事を一手に引き受け、奥さんとともに病気と向き合う早川の姿には、病気を抱える家族を支えることの大変さを痛感してしまう。だが、そこは『へんないきもの』の早川だけあって、“イイ話”に始終しない。奥さんの苦痛を癒すためのアイテムが“昭和の特撮ヒーロー”であったことを綴った章は、思わず笑みがこぼれてしまう。ふたりで一緒に特撮ヒーローを観ることで、奥さんの症状は少しずつ、回復へと向かっていったそうだ。タメ年が書いた話題の著書。興味のある人は手にとってみては。
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