本誌連動企画の『3番勝負!』には投票いただけただろうか? 今回は若かりし日々を盛り上げてくれた洋楽シーンの中から、ソロシンガーの勝負にしてみた。 出題者の僕より、4日間にも渡って解説させていただいてきた。壮絶なイギリスシンガー対決の第1ラウンドと、アメリカを代表するシンガー対決に続いて、第3ラウンドとなるのは、究極の女性シンガー対決だ。
僕はこの2人に、突如としてシーンに現れて大暴れしたという印象を持っているがみなさんはいかがだろうか? 高3のときにヒットチャートを駆け上がったシンディ・ローパーの『ハイスクールはダンステリア』は、実に新鮮だった。個性的な声と、ミュージックビデオ全盛期を象徴するかのような秀逸な映像とともに、僕の心をしっかりとつかんだのだった。このヒット曲が収録されたアルバムタイトルが『ニューヨークはダンステリア』と、邦題イメージとしては徹底的にダンスなのですな。アルバムに針を落とすと、これがまた素晴らしい作品集で、ヒットシングルの大騒ぎぶりが嘘のように切ない女を歌い上げた『タイム・アフター・タイム』や、かといえば『シー・バップ』のような跳んでる女(笑)も歌う二重人格ぶりに、完全にノックアウトされた。後に発表された『トゥルー・カラーズ』も、涙なくして聴けない名曲である。
そんな素晴らしい作品とともに、彼女の魅力が炸裂したのが『We are the World』だった。存在感たっぷりの連中が顔を揃える中にあって、なお光った存在だったことが素晴らしい。また、並みいるベテランミュージシャンの中にあって、あの振る舞いが出来ることもシンディ・ローパーの魅力を支えているバックボーンだろう。メイキングビデオで、クインシーからデッカいイヤリングが邪魔だと注意されているシーンが、なんとも微笑ましい。
一方、対戦相手となるマドンナと接触したのは、シンディのダンステリア旋風の翌年で、『ハイスクールはダンステリア』と同じような新鮮さを感じて受け入れたのが、マドンナの『ライク・ア・バージン』だった。そこそこのヒットを記録したデビューアルバムは前年だから、同期の2人ということになるのだが、僕はその存在を知らなかったのだ。高校を卒業して本格的な音楽活動に入っていた僕に、バンドのギターリストから紹介されたのがこの曲だった。「アッ、アッがいいのよ」との、わけのわからんレコメンドだったが、そのとおりですごくいい(笑)。タイプは異なるものの、2つの個性を並べて賞賛で受け入れた僕だった。共に社会活動に積極的なところも、好感を持てっている。
もうだいぶ歳を重ねたが、これからもずっと跳んでる女であり続けてほしい。さあ、みなさんの1票はどっちだ?