ブリヂストンサイクルは、カーボンベルト駆動によるドライブシステム・SSSD SYSTEMを搭載したシングルスピードの自転車『HELMZ SSSD』を11月上旬より発売する。自転車アパレルブランド「narifuri」と共同開発したスピードクルーザーシリーズ・HELMZ(ヘルムズ)のニューモデルとして加わる。
「街を走るために生まれたスピードクルーザー」というコンセプトで2010年に誕生したのがHELMZだ。これに新しいベルト駆動システムが搭載されるというのが今回のトピックスだ。ブリヂストンサイクルは、82年にベルトドライブを業界で初めて量産化し30年以上にわたり熟成を重ねてきた。SSSD SYSTEMは、それらのノウハウをベースに新開発したカーボンベルト(カーボン繊維を使用した樹脂製ベルト)を駆動とするカーボンソリッドドライブと、走りを追求するロードバイクホイールを組み合わせたもの。金属を使わず潤滑オイルも必要ないベルト駆動システムは、ベルトに触っても汚れず、服も破れたりしない。メンテに気を使わなくてもよく、きれいに、そしてスマートに乗れるという点で街乗りには向いているといえるだろう。これに高速巡航できる機能を加えたのが『HELMZ SSSD』だ。
変速機能がなく、故障も少ないシングルギヤ方式だが、特徴的なのはカセット式のギヤプーリーを交換することでライダーの好みのギヤ比を3種類から選択することができる独自の“SSSDシステム”を採用している点だ。SSSDとは《セレクタブル・シングルスピード・ソリッド・ドライブ》の略でシングルスピードのギヤ比を選べる、カーボン・ソリッド・ドライブという意味。場面や気分に合わせたギヤ比で走れる。
フレーム部にはnarifuriによるデザインワークを実施した専用設計。アルミ製だがパイプを高圧空気で膨らますSPF(Super Plastic Forming)成形する特殊製法を導入したという。タイヤにそったフレームデザインやトップチューブをホリゾンタルよりやや前下がりのデザインで、スピード感を演出している。また、リヤエンドには歯数の異なるカセットギアプーリーを変えることでベルト張力の調整が必要となるため、ストレートドロップエンドごとホイール軸を前後にスライドできる独自のリヤエンド機構を新開発。しかも簡単にホイールが着脱できるクイックレリーズ式としている。
オリジナル設計の新ドロップハンドルとイタリア製のFULCRUM RACING QUATTRO CX ホイールを装着したフラッグシップモデルSR1(15.9万円)と、オリジナル設計の新ライザーバーハンドルとHELMZオリジナルホイールを装着したスタンダードモデルS10(9万9,800円)がラインナップされる。
なお、SSSD SYSTEMを体験できる展示をバイクフォーラム青山 (東京都渋谷区神宮前) で10月17日から予定されるというので、最新の駆動システムに興味のある人は立ち寄ってみるといいだろう。