ニコンは、世界初の防水機能をもったレンズ交換式デジタルカメラ『Nikon 1 AW1』を10月31日より発売する。
同社のミラーレス一眼のラインナップである『Nikon 1』シリーズのニューモデル。水深15m以内で60分までの撮影が可能な防水性能と、2mからの落下耐衝撃性能を備えているのが大きな特徴となる。
基本性能は今年2月に発売された『Nikon 1 J3』に準じたもの。撮像素子は有効1,425万画素をもつ13.2×8.8mmのCMOSセンサーで同社でCXフォーマットと呼んでいるサイズだ。これに『Nikon 1』向けに最適化した画像処理エンジン・EXPEED 3Aを組み合わせている。ISO感度は160~6400で、AF追従で約15コマ/秒、AF固定でフル解像度による約60コマ/秒の高速連写も可能としている。
驚異的な防水機能はハウジング(前後)の間のシーリングゴム、レンズのマウント部にOリングを採用して確保。撮影モードに水中撮影に適したモードを新設し、水中撮影に適した画作りをより簡単に楽しむ工夫も加えられている。また、水中撮影時に糸巻型に発生してしまうゆがみを自動的に補正することができる他、手動ポップアップ方式の内蔵フラッシュは水中でも使用可能。さらに、水中で便利な機能として、ボディ背面のアクションボタンを押しながらカメラを左右に傾けることで、撮影モードの変更、再生時の画像送りなどがすばやく行えるアクション操作機能や、グローブを着用時に、誤ってボタンを押しても作動しないように予め操作ボタンをロックできる機能など、徹底的に水中撮影を想定した仕様となっている。
もちろん、レンズも水中での撮影を配慮したものを同時発売。こちらも世界初となる防水・耐衝撃レンズ『1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6』と『1 NIKKOR AW 10mm f/2.8』の2つのレンズが用意される。いずれも広角レンズなのは、水中での望遠撮影は、透明度などの面で困難であることを配慮したものだろうか。また、これ以外にも『Nikon 1』シリーズの他のレンズも使用可能とのこと。ただし、その場合は水中での使用はできない。
外観は“いかにも防水でござい”といったものでなく、ステンレスを使った高級感あふれる仕上がりなのも特徴だ。これなら日常の使用でも違和感なく使える。グリップ部には滑りにくい素材を採用し、ボディ上面のボタンを大きくして間隔を広げて配置することで、高いホールド感やグローブ装着時の操作性を向上している。
水中での使用はもちろんだが、キャンプやスキー、登山といったアウトドアでも安心して使えるのがうれしいところ。どんな場面でもより美しい写真を残したいというアウトドアユーザーには魅力的なデジカメといえそうだ。『1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6』とのセット販売となり、価格はオープンで、実勢価格は9万円前後の見込み。