旭川出張を終え、その足で駆けつけた昨夜の浅草秘密基地は、
人数はやや寂しいもののバカ話が炸裂しまくりの楽しい夜となった。
まず話に出たのはオーディオだ。
デンオンがデノンになったのを知らない俺たちにとって
オーディオ機器はいつも憧れであり、技術の進化にいつも目を輝かせていた。
ダイヤトーンの縦型になったレコードプレイヤーが欲しかった。
そうそう、“ダイ〜ヤトーン、ポップスベストテン! こんにちはシリア・ポールです”
はみんな聞いていたねえ、なんて話はあっちこっちへ飛んでいく。
ラジカセも熱かった。
話しながら思い出したのだが、単一電池を6本とか8本とか、
今振り返るとそんなに入れてどうするんだと思えるほどの大型ラジカセがあったよね。
やがてダブルカセットが出たり、オートリバースはカセットが飛び出してきてリバースしたりと
今の視点で眺めるとなんとも暖かく感じてしまうほどのローテクぶりを思い出しては、大爆笑を繰り返す。
でも当時の俺たちにとっては、次々とくり出されるハイテク以外の何者でもなかったのだ。
先日のホンダの社長会見で強く感じたことだが、現在は技術そのものが成熟期に入っている。
性能や革新だけでなく、時代が要請する諸々の方向に対しても、技術は進んでいかなければならない。
そのことは「低炭素がこれからの技術の中心だ」という言葉にも表れていると思う。
決してネガティブな気持ちで書いているのではない。
時代の要請に対して技術があり、俺たちの時代ではたとえばクルマだったら馬力だった。
それはわかりやすいし、目に見えて上がっていくのだからワクワクするのは当然でしょう。
技術革新の時代と、そこからの転換期である現在の状況を目の当たりにしている昭和40年男たちは幸せである。
だから、こんなバカ笑いが延々と続くのであろう。
鈴鹿取材の話に飛び火した。
俺の入魂取材をみなでたたえてくれたのはうれしい。
そして、レース界の歴史を変えるであろう、衝撃かつ究極の提案がこの浅草秘密基地より出されたのだった。
路面温度70度にも達した今年の鈴鹿8時間耐久で、ライダーたちはグリップしないタイヤに悩まされた。
熱に溶けていくタイヤ…、うーん、そうだ! オカモトゴムがタイヤを作ればいいんだ(いやあ、作ってましたよ、さすが!)。
「あの薄さであの摩擦に耐えるのだから、路面温度70度なんか大丈夫だよな。だって俺なんか2万回転だぜ」
なんてバカ話へと突き進んでいく。
「そうだそうだ、でもお前なんか20回転位じゃん」
ふーっ、なんてバカなんでしょう。
先日東京で光化学スモッグが出たなんて話から、こんな展開も見せた。
「小学生の頃なんか、夏は毎日のように警報が出ていたけど、ガンガン遊んでいたよね」
「ああいうので抵抗力つけたから丈夫なんだよ」
「そうそう、俺たちサッカリン上等だし」
「赤色何号とか、口を真っ赤にしてたよね」
「化学物質に子供の頃立ち向かった抵抗力だね」
などと続いていくバカ者たちの酒はうまいよ。
こんな調子で続いていく浅草秘密基地。
週の頭にとびきりのバカになって、仕事に跳ね返すのじゃー。