講談社から出ているカルチャーブックスなるシリーズの『365日「今日はなんの日か?」辞典』との本が、僕の机の目の前に常に刺さっている。もうおそらく5年以上ここにいて、ちょっと息抜きってときに眺める。二十四節気・七十二候などの暦から始まり、祭や記念日、花の開花や鳥の初鳴き、旬のものなどなど、暦と季節に関わる情報がてんこ盛りの楽しい本だ。初版が1991年だから、もう20年以上前の情報になるが、普遍的なものばかり集めてあるから褪せない。本ていいなと感じる原点のようなものがここにある。
この本のあとがきとなっている『発刊の言葉』とタイトルされた講談社前社長、野間佐和子さんの言葉がいい。ちょいと抜き出すと、“新しい時代において、私たちが成すべきことは「物質文明の追求」ではなくて、「精神文化」の充実を図るべき”だとの提言に始まって、“私たちは世界に誇れる独特の文化を持つ国民です。今こそ、私たちは先祖から受け継いできた文化や、美しい自然への一層の理解を深めるときではないでしょうか”と結ばれる。そんなメッセージのまま、よき伝統がぎゅうぎゅうに詰まっている。
そしてなぜこの本の話を持ち出したかというと、明日8月19日は読んでそのとおり『バイク(819)の日』なのである(笑)。一般の方々にはまったく知られていないだろうが、バイク業界では力を合わせて盛り上げる。ちなみにバイク雑誌を多く出版する我が社も、小さいながらブースを出展して盛り上げるのだ。そしてふと気になったのは『バイクの日』がこの素晴らしい本で紹介されているかどうか。広げてみるとあった!! おー、素晴らしいと紹介文を読むと、若者のバイク事故が激増していて、とくに若者の事故軽減のために事故防止を呼びかける日とされていた。なんだかネガティブな紹介だが、20年以上経た今も安全啓発を続け、加えて二輪の有用性を訴えるイベントを行なっている。まだ夏休みという方は出かけてみてはいかがだろう。金メダリストの荒川静香さんや、元GPライダー中野真矢さんが来てトークショーなどを披露する。その他、展示やPRなどが用意されたイベントで、業界では夏の風物詩となっている。
とまあ、業界広報みたいになってしまったがこの本の話に戻すと、天気のページを各月ごとに1ページを使って丁寧に解説している。これによる夕立がいい。“暑い夏の午後、空に浮かんだ入道雲がみるみる大きくなったと思うと、ぽつりぽつりと大粒の雨が落ちてくる。短時間にドッと降り、カラリと晴れる。夏の風物詩”と結んでいる。コイツに限ってはずいぶんと変化してしまった気がする。そうそう、このページの解説に『真夏日』や『熱帯夜』はあるものの、『猛暑日』なる言葉は見つからない。
でも、バイクって本当は自転車の事だよ!チャリンコ。